愛が止まるまでは…*#～Peace!～【M.Nakai】 (ページ35)

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「おはようございます。」

スタッフさんに挨拶をしながら、前室に入る。

なんとなく、楽屋にはいたくなかったから、鞄だけ置いて、さっさと前室に来た。

有紀「おはよう、A。」

「おはよう。…楽屋、行かないの？」

有紀の横には、いつも持っている鞄。

前室にあるソファに座って、スマホをいじっていた。

有紀「行ったら奈乃香がうるさいもん。Aも行かないんだ？」

「…私が、発端だし。」

有紀「Aは何も悪くないのにねー。てか、喉大丈夫？昨日、声量抑えてたでしょ。」

「あぁ、うん…大丈夫。」

有紀は、皆の事を、本当によく見てくれてる。

ちょっと、びっくりした…

桃井「ああ、ここにいたの。おはよう。」

有紀「おはようございます。」

「…おはよう、ございます。」

桃井「何やってるの。楽屋、行かないの？」

有紀「奈乃香がうるさいんで。めんどくさいし。」

桃井「もう、あんた達は。少しくらい仲良くしなさい。」

有紀「しようとしても、奈乃香が突っかかってくるんです。」

桃井「大人の対応しなさいよ。んったく。」

ブツブツ言いながら、前室を出て行く。

何なの。と有紀がぼそっと言うと、台本に目を落とした。

有紀「Aが喋るとこ、ないじゃん。」

「あぁ。…そうみたい、だね。」

有紀「絶対奈乃香が言ったんじゃん。いいの？」

「…うん、私は。いい。」

有紀「…そ？」

有紀の横に座って、私も台本を読む。

凉乃「おはようございます…」

「「おはようございまーす。」」

あ、凉乃…

昨日の電話、聞いとこう。

「凉乃っ…あの、昨日…」

凉乃「ごめん、後でいいかな？」

「あ…ごめ…」

さっさと身を翻して、前室を出て行く。

凉乃とは思えない、冷たい目だった…

有紀「…けんか？」

「いや、何も…」

有紀「珍しいじゃん。何かあったか？」

有紀も、訝しげ。

しばらくすると、3人が前室に入ってきて、打ち合わせが始まった。