元私の本丸参の巻 (ページ25)

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裏切り者の審神者とページ25

追い詰めるように鶴丸様が付け足す。
「こんのすけがなぁ、データベースを覗いたらばっちりかかれてたそうだぞ。」
データベース。

…本丸の中に居る人間のやつが見れるやつか。
盲点だった、としか言いようがない。そもそも自分のデータ見るなんて思いつかなかった。

それに…、かき氷した時の現上司との会話。

「それは、違う。」
掠れた声で言いながら私は直感的に悟っていた。これは、多分事実だ。

いつも何処かで私は、怯えていた。

置いていかれたこの本丸の刀達が何人もの審神者にしたことを思うと背筋が凍る。

ましてそれが自分のしたことの結果だったかもしれない。怖かった。
だから、私の刀達だった子達を遠ざけた。思い出自体には何もやましいことは無いのに。
似てるねって言われる度に打ち消した。曖昧な肯定でも別に良かったはずだ。だってそうじゃないという確証は無い。

がち、がこっと嵌まっていく。自分の欺瞞が隠していたピースがすんなりと嵌まって想定もしなかった絵を描く。

「…仮に私が本丸の主だったとして、それがなんだと言うのです。本丸を捨てた主として殺しますか？」
「いや、そう短絡的になるな。

そうだな、

本丸に主として戻ってこい、と言ったらどうする？」

「は？」

夕焼けが鶴丸様の顔に濃い影を落としていたが２対の金の目だけが爛々と輝いている。