元私の本丸参の巻 (ページ20)

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松風ページ20

柳星様の部屋に入ろうとして手が止まった。昨日の光景が目の裏に浮かぶ。部屋に凶器があったら、また脅迫めいた仕業がされていたらと思うと血の気が引いていく気がした。正直その障子を開けたくはなかったが、柳星様に何かあったら取り返しがつかない。ごくりと唾を飲み込んで障子を開けた。

警戒しながら部屋を見渡すと部屋には何の凶器もなかった。

ただ、お菓子が置いてあった。
名前はええと確か…

そうだ、松風だ。
どうしてそんなものがここに？少なくとも子供が好むようなお菓子ではないし昨日１日柳星様が貰っていた覚えはない。

うーむ。

まさか、毒殺とか？昨日のやり口からしてそうではないと考えたかったが考えるとぞっとした。

取り敢えず回収して政府に毒物が入っているかどうかの調査を依頼して、戻ってきた結果を見ると毒物などは入ってなかった。普通の松風だったようだ。だったら尚更彼処に置いてあった意味が分からないのだが…。起きてきた柳星様に確認してみたらそんなものは貰ってないようだし。

誰が、何で？
あと、そうだ…。松風について誰かに何か聞いた気が…する。何だっけ…？