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就職してから、半年が経った。
未だにバイト先の先輩との連絡は途絶えない。
今度飲みに行こうとか、
いい子紹介してよ、とか。
冗談目かしいことばかりだが、
その中に、甥っ子にあって欲しいと
3人で飲みに行こうと誘われることが頻繁にあった。
その人が就職を蹴ったおかげで私は今この会社で働いている。
歳が近くて、気さくで良い奴。
先輩からはそう聞いている。
そろそろ会社も辞めようかと思っている頃だけど、
会うだけあっておこうかな。
動機はこんなにも軽かった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
『こんばんは』
?「こんばんは…」
先輩が来ないまま、居酒屋で二人きり。
私はジュース、彼は生を頼んだ。
?「お酒弱いん?」
『んー、強くはないです』
……沈黙。
?「俺、すずきとしみつ っていいます。」
『あ、好村 Aです』
軽く挨拶をして、また沈黙。
『鈴木さんはお酒強いんですか?』
と「俺?んー、そうでも無いかな。
飲めるよ〜ってくらい。」
『そうですか……遊び歩いてそうなのに』
と「あれ?俺今貶された?」
ははって笑っては届いたビールをカンパーイって私のジュースの入ったコップに軽く当てる。
やっぱり遊んでる人だ。
そんなことを思いながらも、チビチビとジュースを飲む。
思ったより、楽しい時間だった。
と「おじさん来ないね。もうお開きにする?
もう一軒行く?」
時計はもうてっぺんを指し終えて、街も一部を除いて寝静まる頃。
『んーん、帰ろ?』
連絡先も何故か交換して、
二人並んで岡崎行に乗る。
『え、岡崎の方なの?』
と「うん。生まれてこの方ずっと岡崎」
『まじか、お邪魔してます』
と「なんそれ」
としみつくんは、笑うと可愛い。
年上の人だけど、そう思った。
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作者名:芽柚 | 作成日時:2019年11月6日 18時