広間 ページ41
ちらりと視線を何度か感じた。
方向的にはハッフルパフ席の方からなのでおそらくセドリックだろう。
また広間で、と言われたのだから。
とはいえ友人達に囲まれている私の元に来るという選択はしなかったよう。
「はー…それにしてもセドリックが一位とはね。
私はてっきりクラムかと思ったわ。あの体格だしね」
パンジーは飲み終わったマグカップから手を離して背伸びをした。
ちらりと向こうの方で他のダームストラング生と一緒に何やら話している彼を見やる。
セドリックには悪いが確かに私もクラムが一着だと思っていた。
私のハプニングがあったし…
それにW杯でシーカーをやる彼だし、向こうにはカルカロフがついている。
「シーカーとして、プレーヤーとしては有能ですが…と小耳に挟みました
実際あのプレースタイルは憧れますけれど、どうにも力任せなところが多いですから、僕には到底真似はできませんね。」
大人の時は鍛えていて腹筋が六つに割れていたレギュラスだが、子供の時は筋肉より縦に伸びる方が最優先なのかどちらかというと細長い部類に入っていた。
もちろんそれでも大人の私より荷物を軽々と持ち上げるし、持久力系は得意である。
…反射神経なら私も負けませんよっ…吸血鬼ですしおすし。
「確かにレギュラスは知能戦の方が得意だからな。
スリザリンチーム側のシーカーで良かったが、敵チーム側にいると思うとゾッとする…」
公式戦には出ていなくとも、レギュラスは補欠シーカーを務めていた。
寮内での練習試合でレギュラスとドラコ、二人シーカーで練習するためだ。
優勝杯や盾には名前を残したくないため、よほどのことがない限りは出ないそう。
「私達はそろそろ帰るが、どうする？」
ミリセントはこちらを見た。
『もう少しクッキーを食べるとします…パルミエが…』
禁断症状がでそうで私はもう一度大皿に手を伸ばした。
いやまぁ、でないんですけど。
レギュラスとドラコも顔を振った。
まだここでおやつを食べるらしい。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年1月10日 2時
