野菜料理 ページ16
ざわざわと聞こえていた大広間はいつの間にか静かになってきた。
ダンブルドア先生が前に立ち、両手をふると全てのテーブルに一斉に料理が現れた。
去年までの普通の晩御飯とは違い、他校生がいるからか種類が豊富だ。
イギリス料理がメインだったのが、フランス料理が混じっていたり、どことなく東欧っぽい料理も置いてある。
多分、ダームストラングの場所を教えるヒントを与えたくないからこのどことない料理のチョイスなのだろう。
ボーバトン生は美容に気をつける人が多いのか主に野菜料理が多くてありがたい。
普段はたまにチップス、いわゆるフレンチフライしか食べれない様な時もあるのでその点では晩御飯が楽しくなった。
少し遠くにあるポトフの鍋を見やる。
ううむ…届く範囲ではギリギリあるのだが鍋の取っ手が鉄製なので熱いだろうなぁ、ととりあえず取るのは諦めた。
お皿に盛り付けてある温野菜やテリーヌをいただく。
ただ塩で味付けがされているのではなく、ブイヨン、日本語で言うところの出汁が入っているので味が深い。
ゼリーの部分が舌に触れると溶けて野菜が口に広がる。
さすがフランス料理といったところだろうか。
日本、イタリア、フランスと美食三国(自分比)に入っているだけある。
さすがにいきなり食べ始めて胃がびっくりしたのか、周りの雑音も混じって頭をくらくらさせているのか…
こう…戻すとまではいかないけど顔がさぁっと冷える感覚。
指先が冷たくなっていくのを感じてお皿にフォークとナイフを置いた。
幸いお皿の上のものは食べきった後なので特に怪しまれはしなかった様だ。
たくさん物がのった中でフォークをおくと何かあったのかと思われてしまいますからね。
お皿を少しどけて、肘をついた手の上に顎を乗せた。
隣に座るレギュラスを見る様に顔を傾け、見ていると視界が二重に見えてくる。
…眠くなってばかりだなぁ…
眠気を追い払う様に私は冷たい水を煽った。
もういっぱいアイスティーを煽ればその場しのぎではあるが目がさめる。
どうも暖かくなって疲れてくると今の体はスリープモードに移行したがるらしい。
なんて迷惑な話だ。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年1月10日 2時
