久しぶり ページ15
気配を感じ取って振り向かない彼は相当お疲れの様だ。
心の中で申し訳なさと、彼の状況で苦笑してしまう。
腕をゆっくり広げ、突っ伏した状態から起こされた彼の首に手を回す。
ビクッと彼の筋肉が固まったのを感じる。
ゆっくりと振り向く彼と目があうと、瞳が大きく見開かれ、私の両頬に手を添えて、引き寄せられる。
額同士をくっつけておかえりとかお小言とか言われるのかと身構えた。
「…まだ体調が悪そうですね…
でも、目が覚めた様で何よりです。」
優しい言葉をかけられ、私の表情はゆるゆるになったのを感じる。
へにゃりと笑うレギュラスに私も微笑みかえせば、隣から咳払いが聞こえた。
「と、とりあえず座ったらどうだ…」
少し頬を染めたドラコがレギュラスと自分の隣を叩いた。
ローブを手繰り寄せベンチに座れば、後ろから悲鳴じみた声が聞こえてきて背筋がピンと伸びる。
…この声はパンジー達…あ、怒られる
「もう！
心配したのよ？！
パーティー後は勝手に帰るし、お父様達から手紙が来たかと思えば貴女の家での新年パーティーが中止になったと聞いたし…！
っでも、また学校に来れてよかったわ
お帰りなさい、A」
パンジーは私の両手を掴みながら一気に話した。
少し震えていたのはきっと気のせいではない…
ここまで心配してくれる友人を持って私は嬉しかった。
『えぇ…ごめんなさい。
全て話すと貴女達に迷惑がかかるんじゃないかって…でも、今度からは報告するわ、ね？』
ふわりと甘い香りと柔らかい腕に包まれる。
まっすぐの金が私の視界を遮った。
「約束だからね。
本当にレギュラスに言われた時はびっくりしたんだから」
「辛い時は無理をしないで私達を頼ってくれ…
友人の力になりたいと思うのは普通のことだろう？」
ダフネが少し拗ねた様にそういった後にミリセントが私の頭をポンポンと数回なでた。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年1月10日 2時
