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「あぁ、双子の誕生日プレゼントね。」
僕はまだ一ヶ月以上先のはずの、Aの娘息子の誕生日を思い浮かべる。
毎年激しい贈り物をしていてそろそろネタ切れらしい。
…もうあの子たちも大人なのだから普通の贈り物でもしておけばいいものを…
「いーや、普通はだめだね。」
「そうさ。どれほどの借りがあることか！」
フレッドとジョージは肩を組みながらそういった。
さっきまで喧嘩していたやつらが何を言ってるんだ。
「でもレイは毎年恥ずかしくて頭抱えてるよ」
「それはだな、シユウ」
「嬉しいけど言えない天邪鬼なだけさ。」
「いやまぁ、多分普通にやめてほしいんだろうけどな。」
リーが苦笑いをしながらそういった。
毎年山のようにプレゼントをあげている彼ら。
もうとっくにブラック家に借りているお金は返せるのだけれど、何かにつけて投資しないかい、とか、この研究費用を…、とか言って借金をし続けている。
もちろんレイもその件については嫌がっていないから、不器用な者同士の愛情表現のようなものなんだろうと解釈している。
母親の友人で、血縁関係がなく、なにか貸し借りしていなければ切れてしまうかもしれない不安。
きっとそれをつないでいたいんだろうな…
僕はリンとよくお茶しに行ってるし、そういう不器用なことしているのを見るとなんか笑えてきてしまうのだけれどもね。
「多分親戚のおじさんくらいの感覚でいいんじゃない」
「親戚の」
「おじさん」
ふむ、と妙に考え込んでしまう双子。
家族が多いウィーズリー家は親戚との付き合いも濃い。
よくパーティーが開かれたりするし、血縁関係のない僕たちも招待されるほどオープンだ。
それに対してリンとレイの親戚はマルフォイ一家くらいなものだ。
従弟違い、とかハトコ、とか、普通ではあまり知り合いにならない遠さではあるけど。
A側の親戚はもう数百年前に亡くなり、生きていたとしてもその子孫は彼らのことは何一つ知る由もない。
…なにより、彼らにはもう両親はいないんだ。
「親戚のおじさんか。」
「リンとレイのおじさんというのは悪くない響きだ。」
頷きあっている男たちを見て、僕はリーの手を取った。
おそろいのリングが光る左手で僕の髪を一筋撫でて、ほほ笑む。
まったく、世話がかかるんだから。
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スミレ(プロフ) - 時間をかけて楽しみながら読むことができました。すごくいい作品に出会えて嬉しいです ありがとうございました (8月22日 2時) (
レス) @page12 id: aadb1f51a4 (このIDを非表示/違反報告)
mikan(プロフ) - 読んでいて楽しかった。ありがとう (2023年4月3日 0時) (レス) @page24 id: 482089f0ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2021年11月24日 20時
