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転生 ページ3

死んでしまった。まだ体は暖かいのに。
レギュラスはやっとかといった表情で僕をスネイプの前から押しのける。

ふつふつと怒りが沸き上がってきて、僕よりもいくらか背が高い彼につかみかかろうとすれば杖を使われるまでもなく壁にはりつけられた。氷よりも冷たくて、ナイフよりも鋭い目線で僕を刺す。
なんならディメンターと対峙した時よりも、ある意味では怖かったかもしれない。

彼は軽く杖を振って床にたまっているAの血だけを器用に集めて、何を思ったかスネイプに全部ぶっかけた。

「貴方、何をしているの…」

ハーマイオニーは信じられないと、斜め掛けのポシェットのひもを両手でぎゅっと握りしめた。ロンはおなじく顔をゆがめながら守るようにハーマイオニーの前に腕をやる。

レギュラスは彼女の言葉には答えることなく、僕たちを一瞥して、何も持っていない左手を振った。首にかかるAにもらったペンダントがその手に吸い込まれるように飛んでいく。

彼はペンダントトップの形状を変えて、中の血を三つ一気に飲み干した。
シルバーがかった彼の瞳は赤く底光る。
Aが吸血鬼の能力を使う時と同じように、手のひらに傷を作って赤い血をとろりと流してスネイプにかけた赤の上にかけた。
大きな魔方陣が展開される。
何重にも重ねられたそれは、あきらかに上位の魔法で、多分だけれど、このホグワーツにきている貴族らしい吸血鬼にも使えないのではないだろうかと思った。


「セブルス先輩、僕のためにまだ働いてくださいよ。」

レギュラスは冷たくそう言い放った。

多分、とりこまれた吸血鬼の心臓がレギュラスの体を作り変えているのだ。
でもまだ不完全だから、彼は吸血鬼としての能力を使いながらも、蘇生魔法のような、治癒魔法のような…いわゆる白魔法に分類されるものが使える。

彼はこれでもかとコートのポケットに入った薄い黄緑の宝石をスネイプに投下し続けている。


開かれることないと思ったその瞼が、重そうに押し開けられた。

奥にある黒かった瞳はやはり、赤く光っていた。

衝撃→←目



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あやにゃん(プロフ) - ベルモットさん» ベルモット様、コメントありがとうございます。 話の筋は一緒でも、結構映画版と原作で違ってきますよね〜 それに原作でも言語で印象がかなり変わってくるので面白いところです(´˘`*) (2020年12月28日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - 死の秘宝を読みはじめました。近頃、原作を読んで気がついたところが、映画と原作の中で違いがあったり、映画オリジナルである部分もあったり、と見返して見ると考え深いですよね。 (2020年12月28日 4時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2020年11月20日 2時

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