【ハリーポッター】吸血鬼少女は逃亡する【１４章】 (ページ10)

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護衛ページ10

７月が始まってすぐのことだった。
平然とした顔で、リトルウィンジングのプリベット通り４番地のハリーの家に訪れれば、呼んだ張本人であるマッドアイは遅いぞと睨み、トンクスは信じられないと言わんばかりに目を見開いた。
そりゃそうだ。あんなふうに寝返り宣言をして、よくこんなところに来れるな。自分でも神経を疑うわ。

『トンクス…？』

私を睨みつける彼女の名前を読んでみる。
左薬指には綺麗な指輪が光っている。リーマスと結婚したんだ…と右手で彼のボロボロのコートを掴んでいるのを見て少し安心する。

「貴女だって…天文台に続く階段で…」

困惑したように彼女は言葉を紡いだ。

『天文台…確かにセブルスとドラコの元へと行きましたけれど…』

「私の事、インカーセラスで縛ったし、寝返ったみたいなことを…！」

『マッドアイ、できるだけ極端にしろって…説明してくれるって話だったじゃないですか。』

むかーしいつかそんな事を言ったかな…とマッドアイはため息をついた。
この話をしたのはかなり昔だったりするので説明を求める私の方がおかしい。
それから状況は一転も二転もしたし、私が寝返ってもおかしくはないような状況だからだ。

「さ、そんな事を話している場合じゃない。
さっさとしてほしい。」

ポッター役に任命されたのはロン、ハーマイオニー、フレッドにジョージ、フラーとマンダンガスだ。
護衛にはアルさんとレナさんを始め数人の成人済みの騎士団メンバー。

『このままだと護衛役が余りますけど…？』

「お前はアルフレッドとレナと共に撹乱係だ。
本物のポッターを誰と組ませるかは教えんからな。」

懐からポリジュース薬を取り出したマッドアイは私達３人を家から追い出した。

しんとした夜だ。
まさか死喰い人が上空にうじゃうじゃしているとは思えない…雲の隙間からは星空が見えるし、吹く風は少し暖かい。

　
　