食 ページ44
ーレギュラス視点ー
食生活とは大きいものである。
普段はAと一緒のものを食べるためにちゃんと栄養価を考え、野菜では取りにくい鉄分やビタミンB12やらを摂取しようとしていたのだけれど、ここ最近は焼いた肉にマッシュポテトかオーブンポテト。よければミックスベジタブルのような温野菜かサラダが添えられているくらいだ。
もちろん、三食ともそんな食事をしているわけではない。朝ご飯にはポリッジやトーストを食べるし、外食をする時は魚だって食べる。
脂肪分や糖分を気にせず、動物性たんぱく質を摂取していればAに持っていかれた分の血は一瞬で回復していた。
別に今までの食事が苦だったわけでは全然ない。
ホグワーツにいるときはそれなりに、休み中に屋敷にいるときも２週間に一度くらいは肉や魚は食べていた。
キャロルやフィニが家にいた頃はそれ以上の頻度で出されていたくらいだから…
何が言いたいのかよく分からなくなってきたので閑話休題。
領地内での問題はさほど大きくはなかった。
多分領民の不安や不満は大きすぎるほどなのだろうけれど、だからこそ、最後の魔法族の王家の血を引くと言われている僕、レギュラス・アークタルス・ブラックには逆らわないでおこうという考えなのだろう。
現に死喰い人である事は周知の事実であるし、事実でなかったとしてもそういうことを軽々しく議論できるようなご時世ではない。
避難するためのシェルターや避難経路、連絡手段の確保、防衛術のパンフレットを用意して、領民にそれを配った。
税金を大幅に下げて、管理していた予算で必要なものをできるだけ買い与えた。
その合間に少しでも生活を楽にしようと領内のテイラーで学校用のスーツを仕立ててもらい、本屋で生徒の教科書を買い集め、長持ちするような食料品を買って配り、街の結界術士には給料をはずみ、、、
そしてようやく一部の権限を町長や村長に委託して、大きな決定以外は事後報告しか来ないように根回しをした。
あぁ、疲れた。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2020年5月5日 2時
