捜査２ ページ5
『まぁ、お早いおつきで…魔法省のお役人さん達も毎日毎日大変なことでしょう。
好きに見ていってくださいませ。隠すものは何もございませんから。』
予告通り家宅捜査の魔法省の役人十数名がやってきた。
魔法法執行部、魔法不適切使用取締局員で死喰い人であるヤックスリーがついてきたところからして…多分この家宅捜査は彼が発案したものだろう。
早い目に私の家の警戒を解かせることによって動きやすくしようという心遣いか、ただの嫌がらせか。どちらにしろどうでもいいのだけど。
「Mrブラックにブラック夫人捜査にご協力感謝したします。
一班は一階から。二班は三階から回ってくれ。」
ニヤニヤが隠し切れていないヤックスリーは後ろの役員達に指示を出した。
どうやら今回の捜査の班長はこの人のようだ。
ーーーーーー
『お疲れ様です…何か見つかりましたか？』
地上階のリビングでゆっくりと日の光を浴びながらスコーンにクロテッドクリームを塗りたくっていれば、疲れた様子の役員達が降りてきた。
書斎で見つけたであろう書類について数個質問してきたが、それも他愛もないもので、中身がわかればすぐに元に戻してきてくれた。
「お騒がせいたしました。
今回の捜査でブラック家は今回の件に関与していないことが判明したことを、この書類に…サインをお願いします。」
杖の使用履歴、そして杖なしでの魔法の使用履歴を調べた後に役員の１人が色々と書かれた羊皮紙を一枚差し出してきた。
要約すれば、家宅捜査で何の問題もありませんでした。魔法の使用履歴も何ら問題ありません。帰ったのは襲われて怖かったから。と書いてあるだけだ。
「確かに、サインを…
ではこれで失礼いたします。」
片手に魔法省支給の革の鞄を持った集団はバッジがついたマントを翻してさっていった。
全く…キッチン周りは隠し扉やらが多くて、地下室は要注意と言って調べていたのだけれど、セドリックがいた場所は見つからなかったようだ。一応複数の魔法で保護してあるし、ワインセラーの方を調べて満足してくれたのだろう。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2020年5月5日 2時
