【ハリーポッター】吸血鬼少女は逃亡する【１４章】 (ページ36)

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引越しページ36

南天。
それは難を転ずる、という風にも聞こえる為縁起が良いとされている木である。
防腐作用もあり、魔法薬学でもそれなりに使われるものである。

木言葉は"私の愛は増すばかり""良い家庭"。
セドリックにはある意味ぴったりのものなのかもしれない。いろんな意味で。

『この村は離れましょう、セドリック。
小屋自体は古い魔法がかかっているので安全ですが、村自体は相当よわい。』

村を覆うだけの防御魔法なんて私にはもちろん、今のセドリックにも少し難しいだろう。
よくしてくれた村の人には悪いけれど、もう一つ隠れ家として用意していた屋敷に向かおうと思う。
子供がいなければここにいてもよかったのだろうけれど、今の状態では少しばかり不便すぎるし、セキュリティにも問題がある。

ーーーーーー

村長さんに口止めも兼ねて金貨を積んで、セドリック改エルネスト君はお姉様方とお別れをして村を出た。

「さぁ、どこへ参りましょうかお嬢様。」

彼は私のトランクと、もう片方で私の右手をとってそう聞いた。
わざとらしく屈んでいう彼は私の顔を覗き込んで微笑んだ。
　

『スコットランドのうんと北まで。
昔私がお父様と住んでいたお屋敷まで飛びましょう。』

いつだったか、住むことをやめたあの土地へ。

人間をやめたあの場所へ。
　
　