式 ページ23
「結婚式とはいいものです。」
レギュラスはフラーが投げたブーケがシユウの手の中におさまり、リーと笑い合っているのをみてそう呟いた。
レストレンジ夫妻の式を見てどんなものかと内心怖かったのか、複雑だったのか彼は安心しているように見えた。
それはまぁ…結婚式は(うまくいけば)人生の中でも１、２を争うような素敵な出来事だろう。
「さあ、そろそろプレゼントを渡しに行きましょうか。」
彼は人が散ったのを見て庭からゆっくりと歩き始めた。
真っ青な芝生の上には白やピンクの花びらが舞っていて、靴が触れるとキラキラと光って消えていく。式に参加している子供達は夢中になって追い回している。
レギュラスはスーツの内ポケットから上質な封筒を取り出した。
表側には美しいローズピンクでフラーとビルの名前が書いてあり、裏面はゴールドの装飾と差出人の名前。
満開のお花をテーブルに飾って、フランスから呼んだのであろう友人と楽しそうにおしゃべりをしていて、なめらかな蝋燭の光がティアラと首飾りによって反射される。
『フラー、ビル、ご結婚おめでとうございます。
ささやかながらプレゼントを用意しまして、受け取ってもらえると嬉しいです。』
隣の彼が夫婦の前に一枚の封筒をおいた。
何かの券かなと話す二人は、中の契約書と鍵を見て目を見開く。
『一応家具も今日あたり運び込まれているはずなので、すぐにでも住めますよ。』
「あ、あのA。私、ネックレスを貸してもらって、その上にこんな家だなんて…」
あたふたと顔を見合わせる二人にレギュラスは淡々と所有権やらは全て譲渡しましたので残念ながら断られてもと説明をする。
ーーーーーー
「Aはシャンパン飲まないの？」
ケーキとシャンパングラスを持ったハリーが席に座り私に問うた。
あんまりアルコール類を飲みたいと思わないのでとりあえずオレンジジュースを飲んでいる。
『なーんか、体がだるいんですよ。
最近色々ありますし…酔ってない方が対処できる、ていうのもね。』
「こんな闇祓いだらけの会場、そうそうないぜ？
ママはもはやホグワーツや魔法省よりも安全じゃないかって。」
ロンはバラの形をしたリンゴのケーキを美味しそうに頬張った。
私ももう少し甘いものでも取ってこようかな…
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2020年5月5日 2時
