会議 ページ45
解雇通知を出してから数日、私はあの方に呼ばれてマルフォイ家の屋敷にやって来た。
死喰い人の幹部会議があるからと招集がかけられたのだ。
セブルスは魔法省の監視網が強化されている今外に出るのは躊躇したようだけれど、吸血鬼の私には関係ないだろうということで半ば強制的に来させられたわけである。
『わが君、おひさしゅうございます。』
椅子に我が物顔で座るその人の前に傅いて挨拶の言葉を述べる。
一応この前の魔法省での戦いでは直接会ってはいないから、お久しゅう、というわけだ。
「おひさしゅうございます？
お前はこの前大した働きもせずによく謝罪もなしに目の前に現れるな？」
嫌味ったらしく蛇は私の耳元でシューシューと音を出した。
ぞくっとして体が跳ねそうになるのを抑えて、謝罪をする。
「わが君、それでもあの場に現れたダンブルドアの攻撃を唯一防ぎ、レギュラス・ブラックがその兄を手に掛ける時間を作ったのです。」
後ろに現れたルシウスさんが同じく頭を垂れてそう反論してくれた。
まぁ、大した働き(物理)はしていないことは認めようとも、働いている(精神的)ことは認めて欲しい。
…認められることなんてないし、逆にそのことを知られたら問題になるけど。
「そこは褒めてやろうとも。
Aとレギュラスには褒美として俺様の近くの席を用意した。」
この会議では今も昔も席順が信頼や貢献で決められている。
上座であればあるほどその人の信頼度が高く、下に行けば行くほど信頼度が低いかまだ新参者か、はたまた戦果を挙げられていないものが座らされるのである。
『ありがたき幸せにございます。』
当たり前だと言わんばかりにその人は返事をすることなく、私に新しい席に座るように示した。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年9月2日 3時
