闘争 ページ34
二人組を組んでは最悪になる陣形をわざと指示したのは私だ。
ベラさんと旦那のロドルファス、クラッブとラバスタン、ジャグソンとドロホフ、マクネアとエイブリー、ルックウッドにノット、マルシベールはルシウスさん、そして私はレギュラスと。
ちょうど近くにいたもの同士ランダムに組を作ったように見せかけられたのが不幸中の幸い。
流石に犬すべて猿の仲の組を作ることはできなかったが、途中でマクネアとエイブリー、ジャグソンとドロホフは自滅してくれるだろう。
…少なくとも、知力は高くはないから誰かしら潰してくれることを祈る。
灰色の煙が入った予言玉の棚を縫って進む。
ちょっとでも衝撃が加わるとノックオンエフェクト、いわゆる将棋倒し反応で次々と物が落ちてくるのだから気をつけなければいけな…あぁ、もう誰かしら壊したんだなぁ…
遠くでガラスが粉々に潰されていく音が聞こえてくる。
誰だったか…ハーマイオニーがこの辺の棚をわざと倒すんだったっけ。
一旦雪崩を止めて、いくらか整えておく。
予言全てがなくなってしまうのは国にとって損失だ。まれに重要なものも隠れているし…
「A、いきましょう。
全員あのドアを通って行ったみたいです。」
レギュラスに左手を引っ張られて予言玉の棚のど真ん中に設置されている謎のドアに飛び込んだ。
いっときの浮遊感ののちに足は地面を捉えた。相当下がってきたな…
つるりとした黒いタイルが壁一面に貼られていて、至る所にドアがある。
『ハリー、その予言玉、渡したほうが身のためと思うんですけど…
こちらとしても、優秀な魔法使い、魔女を殺すのは忍びないですし、何よりこれから血をつないでいくことを考えても多大なる損失ですから。』
銀の気持ち悪い仮面を外して、薄暗いその部屋で顔を晒すと周りは息をのんだ。
それぞれ死喰い他人の誰かしらに捕まっているジニー、ネビル、ルーナ、ロン、そしてハーマイオニーは見てはいけないものを見てしまったのかのように、グッと目を見開いて、口をはくはく何かを言いたげに動かすばかりだった。
そんな彼女達の困惑に応えるように、私は最大級の微笑みを見せつけてあげた。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年9月2日 3時
