【ハリーポッター】吸血鬼少女は戦う【１１章】 (ページ21)

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重みページ21

『で、レギュラス？
貴方は未だ意見を変えないおつもりで？』

人が少ない談話室で彼を見下ろしてそう問えば、レギュラスはまたですかとため息を吐いてうなずいた。

「貴女が…リリーとジェームズを失った時に後悔していたのはよく知っています。僕が一番そばにいましたから。
でもそれを、兄を助けることで償おうとするのは少し違うのでは？」

『だって、ハリーの唯一の…近しい人ですよ？
一緒にいた時間は短くとも、保護者です。』

「えぇ。でもあれはこの先、生きているべきではありません。
貴女でも流石に二人を仮死状態にして維持するのは大変でしょう？」

そう言われてしまって口をつぐむ。
アンブリッジさえどこかに行って仕舞えばもう少し状況は好転するはずだ。

でも、確かに何かがあったときのために一人…できれば二人を仮死状態にできる状態にありたい。
想定外のことが起こった時に、できるだけ対応できるように。

私は"わかった"とは言いたくなかった。
まだ選択の余地がある中で、彼を進んで殺すようなことは。
誰かの死を私の采配で決めてしまうなんてことは…

レギュラスはゆっくりと立ち上がり、肩にポンと手をのせた。
ほんのりと冷たい手を薄いシャツ越しに感じる。…彼だって、きっと全くの戸惑いがないわけではないのだろう。

「僕のことを思ってのこと、ハリーの為、そして…平和を望み、彼自身の為だと言うことも僕はわかっています。
でも、今は感情で決める場合ではありません。
世界が絶望に染まるか、救われるかに分かれる選択の、第一歩です。」

重々しい言葉は私の心にずしりと重りを乗せた。
一つ間違えれば破滅に一歩近づき、正しい方を選べば平和に向かう。
　
　