新しい先生 ページ3
書類のことを指摘するのには証拠が十分でないと考えた私はとりあえず口をつぐんでいれば、ことはどうにかいい方に進んだ。
マクゴナガル先生が庇い、それをダンブルドア先生の教育令の抜け道援護でトレローニー先生は解雇はされたものの、家まで失うことはなかった。
その代わりにやってきた新しい占い学の先生はケンタウルスのフィレンツェ。(アンブリッジは半人半獣の生き物は嫌いだったはずなのだけど。)
星を読み解き、未来を見るのが得意な彼に適任だろう。
…まぁ、先生なんてしたら彼の仲間からこれ以上はぶられそうな気もするけれど…
魔法生物は基本的に人間と関わるの好きじゃないからな。
『今日はフィレンツェの初授業ですね、パンジー』
朝ごはんを食べ終えて数占い組としばしの別れ。玄関ホールを通り過ぎて大広間とは真反対の廊下を進んでいけば１１番教室につく。
普通のどこにでもある木製のドアを開けば中は森だ。言葉通りに。
「…この学校はなんでもありね…」
パンジーはパチクリ瞬きをして空いている切り株に座った。
石畳の床は苔や土で覆われ、ふかふかしていて歩くのが楽しい。生い茂る緑の隙間から入る光は暖かくて、まだら模様をいたるところに作っている。
最後の生徒が座り、本鈴がなればフィレンツェは頭上の天蓋に手を伸ばし、その手をゆっくりとおろした。すっと光は消えていき、部屋は暗くなる。
寝転ぶ生徒の上に現れたのはいくつもの星。
「占星術をやるのかしら。
でも、トレローニー先生で教わったことは使えないわよね…」
『占星術であまり細かなことは占えませんからねぇ、本来。』
実際パンジーの予想通りであり、この授業でわかったことは、占星術でわかるのは世界を揺るがすような大きな事件のみで、それですらいつ起こるかわからないと言うこと。
そして占星術を得意としているケンタウルスでさえも読み違えることがあるので人間ができるなどハナから求めていないと言うこと。
もちろん、吸血鬼はもちろん占い系統は特化していないので星を読み取るなんて技術は人間並みできればいい方。
この種族はは攻撃と魅了特化なのだから。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年9月2日 3時
