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薄暗い通路に足音が響く。その足音は段々と与謝野達の居る場所に近づいてくる。
「何でアンタがAの事知ってンだい!」
ナタを振り、中原に一撃を入れようとするもヒョイッと避けられる。
攻撃を避けた彼は
「それは俺の勝手だ」
中原がニヤッと嘲笑っていると
──カツンッ
と無機質な靴音が聞こえ。そして目の前で止まる
「中原さん指示通り来ました」
右目に包帯を巻いたAが拳銃を構えて立っていた。中原はAの姿を確認すると天井からスタッと降りる。
「来たな、A」
余裕そうにしている中原が何時、攻撃してくるか分からない与謝野や賢治は険しい顔で警戒していた。
「『話がある』とは…」
銃を構えたまま異常なほど落ち着いた声を出したA。
前髪でAの左目は隠れ表情そのものが無いように見えた。
「
『──ポートマフィアに入れ』だとよ」
「何云ってンだい?」
与謝野が堪らず云った。怒りを孕んだ声で…
賢治も「そんなことさせません」と云う。
「………………，…………。」
Aは無言だった。口を開こうとしなかった
カチャと銃の安全装置の外される音が聞こえた。
「俺と殺り合うつもりか?
其奴は間違った判断だぜ?」
中原の周りの地面がベコンと沈み、放射状の
「間違った判断?」
重く閉ざされたAの口が開く。
その口から身の毛がよだつ冷気が吐き出される。
「いいえ」
Aはカクンと糸が切れた操り人形の様に首を傾げる。前髪で隠れていた左目が顕になった。
「手前……その目は!!」
真っ黒に、闇に、虚無に染まった目を
微笑むように細め、無意識に唇の端が上がったA。
「正しい判断ですよ?」
薄暗い通路から入ってくる隙間風で
Aの紺色を外套がフワッと靡く。
其の姿は冥府に住まう幽鬼そのもの
Aは構えた銃の引き金をなんの躊躇いもなく
引いた
薄暗い通路に
劈く様な銃声と
硝煙の匂いと
赤い血が飛び散った
- 金 運: ★☆☆☆☆
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御影(プロフ) - 綾田さん» コメントありがとうございます！ (2023年1月10日 7時) (
レス) id: e37802ecfa (このIDを非表示/違反報告)
綾田 - 夢主がめっちゃかわいいっ！？です。どんな子なのかな？と読み進めてたら、好みドンピシャで……マジかわいいです。ありがとうございます。 (2023年1月9日 21時) (レス) @page13 id: 9d196278d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御影 | 作成日時：2022年5月29日 22時
