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ベルゼビュートが目を白黒させ、キースが腹を抱えて爆笑した。



ベルゼビュートは上半身は長いベストを羽織っただけで肌が見えている。





いわゆる東国風の格好で乙女ゲームで見ていた時は何とも思わなかったが、


この国でわざわざ肌を見せるなんて常識外れだ。








大体、今は真冬である。

見ていて寒い。





「おい、人間の娘。どうして俺がそんなことをせねばならない」






「クロード様の片腕なのでしょう?

 公の場に出ても恥ずかしくないようにして頂かなければ」








「...片..腕?」



 




ベルゼビュートが心なしか弾んだ声を出した。




これは簡単に操れそうだ。








「それとキース様も....同じ服をずいぶん長く着回してらっしゃる感じですわね。

 物持ちのよさは好ましいですが、無精は困りますわ。

 きちんとした公の場に出られる衣装はおあり?」







「あー、数年前に仕立てたのがありますねえ。

 というのもですね、アイリーン様、聞いてくださいよ。

 なんと私、クロード様の見張り兼口止め役で高官のはずなんですが、

 クロード様の味方しすぎて給料ゼロなんですよ!額面あるのにおかしいと思いません?」








横領か。顔をしかめた後で、アイリーンは考え込む。











「となると、クロード様にもお金はないんですのね?」






突然、花瓶に活けてある花が一斉に散る。



それを見た従者二人の反応は早かった。








「クロード様傷つかなくていいですからね。私めは、十分人生楽しいですからね」




「王よ、そもそも金銭が必要ならば我々が奪ってくる、片腕故に」







「二人とも黙れ。

 ___分かっただろう、僕に嫁いでも君になんの利益もない」







「お金なら気にしません。私と契約(結婚)なされば良いのです。

 頷いて下さるだけで快適な生活と幸運をお約束しますわ」







「新手の宗教勧誘みたいですねぇ...」








クロードが顔を上げた。ほんの少しだが、感情が出ている気がする。




うんと言わせてしまえばこっちのものだと、アイリーンはクロードに詰め寄った。

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作者名:雑草のかきあげ | 作者ホームページ:無いです  
作成日時:2021年11月9日 0時

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