【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ8)

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第五十七訓ページ8

パシッ、パシッ、パシッ

一定の速度で竹刀が木にぶつかる音が鳴り響く

『…ふぅ』

垂れる汗を拭い空を見上げれば故郷よりは少ないものの多くの星がキラキラ瞬いていた

パサ…

『…！』

突如目の前が真っ暗になった
顔に掛かるそれを手に取って振り返れば縁側に目つきが悪くほんのりマヨ臭いV字ポニテｎ「俺に恨みでもあんのかお前」

『あ、すんません。マヨ臭いのはこのタオルでした』

「……もういい、返せそれ」

『やだなァ、冗談ですよ。稽古終わりですか？土方サン』

道場の方から来た様子の土方は手に木刀を、首にタオルを掛けている

「まあな…そういうおめェもいつまで立木打ちしてんだ」

『ギプス取れるまでろくに木刀振れなくてストレス溜まってたんで…そろそろ引き上げますよ』

「…つーかお前…敬語…使えたのか」

『何衝撃受けた顔してんですか、敬語ぐらい使えるって言ってるでしょ尊敬する相手なら』

「ムカつくんだけど、その"やれやれ"みたいなジェスチャームカつくんだけど。全然尊敬されてる感じしないんだけど」

ﾌﾞﾙｯ
冬の夜は冷え込む
先程まで体を動かしていたため暑いくらいだったのに、掻いた汗が冷えて身震いした

『今日はまた随分冷え込んでますね。風呂で温まってさっさと寝た方がいいですよ、風邪ひく前に』

そう言いながら縁側に上がり部屋に戻ろうと土方に背を向けた

「柊」

『…？』

「……」

『……何ですか？』

「……」

目を右往左往させた土方は何か言おうと口を開けては思いとどまりを暫く繰り返している

やがて頭をガシガシ掻き、意を決したかのように発せられた内容にAは目を見開いた