【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ6)

今日:3 hit、昨日:4 hit、合計:72,565 hit

第五十五訓ページ6

「あ、これ？この笠？ちょいとそこの角の店で見つけて」

『え、ほんと？でかした沖田！』

聞くや否や向かえばそこには小さな商店があった

店先で商品整理している男は店主だろうか

『おじさん、三度笠売ってますか！？』

「すまねェなァ、ついさっき客に売っちまったのが最後だ」

『そんな…これで帰れると思ったのに…』

「そんなに欲しかったんかィ？つってもうちにゃァもうねェからなァ…商店街なら沢山あんだろうし、けェっておっかさんにでも買ってもらいな」

『(商店街までこの空もたないよ…)』

既に太陽が見え隠れしている空を見上げ溜め息を吐く

＿残念だったなァ、売り切れみたいで

走ってきた私と違いのんびりこちらに向かってくる沖田は被っていた笠をくるくる指で回しながら笑顔でそう言った

『あれ、笠被ってないのに真っ黒な笑みが…』

「おまいさん、さっきの坊主じゃねェか。どうでィその笠この嬢ちゃんに譲っちゃくれねェかィ？」

「やなこった、こいつァ俺がお、れ、の、金で買ったモノなんで」

「べらんめェ、男がんなしみったれてんじゃねェや。女の子にゃァ優しくしてやんな」

「あっれェどこに女の子なんているんでさァ、俺には見えねェや」

『(コイツ…絶対さっきの仕返しだな…)』

わざとらしくキョロキョロしてみせる沖田に殺意が湧くも目先の問題をどうにかすべく押さえる

『沖田くーん、その笠譲ってくれない？さっきの事は謝るからさ、ちゃんと団子代も笠代も返すからさ』

「え？代金返した上に破亜限堕取(バーゲンダッシュ)5個も奢ってくれるって？」

『んなこと言ってねェよ！破亜限堕取なんて私も滅多に食べないのに！』

この野郎…なんつー腹黒さしてんの
仕返しできて気分が良いのかニタニタしている沖田はそりゃもう楽しそうにAを見下ろしている

…よく見たらコイツ草履から下駄に変わってる
気にしてんじゃん、めっちゃ身長気にしてんじゃん

「しみったれてんじゃねェやい、死活問題なんだろィ」

『何その顔ムカつく…あんたさっきからおじさんの訛りうつってるんだけど、超うざいんだけど。何一丁前に江戸っ子気取ってんの。つーか、こちとらァ生死関わってんでィ！つべこべ言わず寄こしなせェ！』

「てめェもうつってんじゃねェか」