【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ42)

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第八十二訓ページ42

浪士組時代から毎年春になると、皆で花見をするのが恒例になりつつあった

が、Aは一度もその行事に参加したことがない

毎年この時期にAが故郷に帰省するのも恒例化しているからだ

四度目の花見、今年こそはと思っていたらしい立花はそれを聞いてぶーぶー文句を垂れている

「あ、じゃあもしかして、師匠が最近ずっと休みも取らず働き詰めだったのはそのためですか」

『そういうこと』

休みを貰うため、身を粉にして働いた甲斐があった

土方に相談すると寧ろ休めと快く与えてくれたのだ

まぁ、毎年この季節は一週間程帰省することを土方も知っているからってのもあるだろうが

「また温泉入って羽目外しですか？そういえば師匠ってどこ出身でしたっけ」

『私？私は上州だけど』

「へぇ…上州って言うと確か、かかあ天下で有名っすよね」

『ふーん、そうなんだ』

そんなどうってことない会話を交わした数日後

＿土産話楽しみにしてます！

そう見送られながら、屯所を後にしAは一週間、上州へ帰郷したのだった

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『オヤジさん一週間ちょっとぶりかな』

「お、真選組の嬢ちゃんじゃねェか、元気だったか？」

『うん、相変わらずオヤジさんとこは閑古鳥鳴いてるね』

「うるせェやい！」

店主と軽口叩き合いながらテーブル席に着き、メニューを広げる

今日は…

「白玉ぜんざいひとつ」『栗ぜんざいひとつ』

チクショォオオオ！！

テーブルをバシバシ叩きながら悔しがる立花を見てAは呆れた

今日のAは何を食べるか
最早ゲームと化しているソレはやはり一度も正解出来ず、立花は店のオヤジにも慰められるようになっていた

ぜんざいを待つ間、一週間少し会わなかったこともあり立花はマシンガンのように喋り倒している

花見では近藤たちがまた裸踊りしたとか

沖田が鬼嫁にハマり愛酒にしだしたとか

先日銀行強盗捕まえたとか

Aが居ない間も稽古はちゃんと続けていたとか

帰ったら稽古つけてくれ、とか

楽し気に話す立花を頬杖付きながら眺め適当に相槌を打つ

「毎日ちゃんと、少しずつ昨日の自分を超えてるんです！俺もちょっとは強くなってますよ！」

拳を握りながらそう言った立花にAは目を見開いた

『それって…』

「はい！己を知り、己を高め、昨日の己より強く…師匠の道場教訓でしたよね。俺、ずっと心に留めて稽古してきたので」