【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ36)

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第八十訓ページ36

『……てめェで歩けやクソドS！！』

「文句言ってんじゃねェや、約束忘れたとは言わさねェぜ？」

首輪から延びる鎖をどこから持ってきたのかボックス型台車に繋ぎ、自分は台車で悠々自適にくつろいでやがる沖田に文句を言うも軽くあしらわれ終わる

『あんたいつからS飛び越えて超ドドドド級のSになったの』

「てめェこそ一体いつから人間やめてゴリラになったんでィ」

『誰がゴリラだ』

失礼な、私だって女の身で真選組なんて危険な職に就いてんだから柔術修行ぐらいする

時間を見て山南総長に稽古つけてもらっていて良かった

抵抗する元気もなく、ゴロゴロジャラジャラ台車を引っ張りながらようやく屯所に戻ってきた時には日が暮れ始めており…

ほんとに今日はろくでもない一日だった

『ほら、もういいでしょ。さっさとコレ外して』

気が済んだのか飽きたのかすんなり解放され、肩を回して伸びをする

首も肩もガッチガチだ

『…ん？』

首元に違和感を感じ触れて見ればリボン結びにされた赤いソレ

「後からグチグチ文句言われんのは御免被らァ」

『…随分気障なことすんのね』

肩を竦め、ﾊｯと笑いをこぼしながらその新しい髪紐で自分の髪を結んだ

一体いつの間に買ったのやら…

『ま、有難く受け取っとくよ』

「素直に礼言いやがれ」

素直じゃないのはどっちなんだか

互いに片手を挙げてすれ違う
今日は本当に疲れた、明日から暫く休みもないのに散々な非番だ

もう今日はさっさと寝るとしよう

ドガァアアアンッ

『……』

ﾌﾟｽ、ﾌﾟｽ…

自室の襖を開けた途端部屋が吹き飛んだ
何だ何だと隊士たちが様子を見に走ってくる

Aはｸﾞｸﾞｸﾞ、と拳を握り締め叫んだ

『洲巻にして便所に流してやらァアアア！！クソ沖田ァアアア！！！！』

ﾋﾗﾘ

真っ黒に焦げた髪紐が寂し気に宙を舞った