【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ24)

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第六十八訓ページ24

「……」

魂が抜けたようにずっと白目をむいたまま一言も発さない立花を睨みつける

この男はただ後ろを付いてくるだけのポンコツに成り下がっていた

…いやそれはいつものことか

人が浪士共と刀を交えている間も棒立ちときた
斬られそうになったところを庇いながら５人共A一人で片す羽目になったのだ

…まァ大したことない相手だったからスグに終わったが

『はぁ…分かったよ』

つくづく七面倒な性格してやがるなコイツは…

″今日の巡回終わりに甘味屋に寄ろう″

「えっ、ホントですか！？」

言うや否や復活し嬉しそうにガッツポーズを決める立花
久々に尻尾を振る幻覚を見た気がする

何食べます？俺は————

あれも良いこれも良い…と喜々とした表情で語る立花の話は現場にパトカーが到着するまで続いた

p.s.

『抹茶御前しるこひとつ』「抹茶田舎しるこひとつ」

『……』「……」

同時に注文されたそれらに店員さんも少し困惑した様子だったが
はいよ、と気前よく受けてくれた

しかし

『……やっぱ、あんたとは微妙に合わないわ』

運ばれてきたしるこを口に運びながら言うと「う…」と言葉に詰まった立花

薄々言われることを読んでいたのか肩を落としながらチビチビ食している

が、こればかりは仕方のないことだ

『別に好きな食べ物なんて人それぞれなんだからいいでしょ。偶々私と総長の甘味嗜好が近いだけじゃん』

あんた私が副長並みにマヨラーだったとしても、同じようにするの？
と聞けば顔を青ざめさせブンブン首を横に振った

「俺だって師匠と甘味屋寄ったりしたかったんです」

『はいはい、そのくらい今度付き合うってば』

「約束ですよ！絶対ですよ！」

また不貞腐れると面倒になるためそろそろ苛めるのはやめておこう

『私も大概歳に合わないって言われるけど、立花の方が絶対当てはまるよね』

「そうですか？それを言うなら山南総長もですよ、あの人俺より上っすよ」

『そうだっけ？』

今度おすすめの甘味処にでも連れて行ってやるか、なんて考えながらAはしるこを口に運んだのだった