【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ19)

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番外編　散髪２ページ19

ガキィン！

「え」

気付いた時には射殺すような目つきで刀に力を入れるAとそれを防ぐ沖田の図が出来上がっていた

「って、エエエエエエ！？真剣！？」

「し、師匠ォオオ！何してんですかァ！？」

山崎が叫ぶ後ろでは立花があたふたしている

２人の叫びは聞こえていないのか刀同士がぶつかり合う音は止まない

ガキンッ

また大きく刀がぶつかり合った

「言葉も交わせねェたァ、ブチ切れて理性ぶっ飛んだか？」

『殺す』

Aの一振りを沖田は大きく後ろに飛んで躱した

「おいてめェらいい加減にやがれ！私闘で刀使う奴ァ切腹だぞ」

「Aちゃんんん！落ち着いて！冷静に話合えば分かるさ！」

止めようとする土方と近藤にチラリと視線を移したAは直後地面を蹴って沖田へ向かう

沖田もまた、同時に地面を蹴って刀を振り上げた

「「…！」」

まずい

そう判断した土方と近藤はそれぞれの間に入り己の刀で剣撃を受け止めた

…かのように思えた

「へ、あれ…Aちゃん…？」

沖田の刀を土方が受け、近藤はAの刀を受け止めた…筈だったのだが
目の前にAの姿はなく…

近藤が恐る恐る後ろを振り向けば刀を振り下ろした後の体勢で静止しているAの姿

「中々粋な髪型になりやしたねェ、土方サン」

ニタァ…
それはもう良い表情で沖田は土方を見上げた

……え？

顔面蒼白で見守っていた者たちも、近藤も、土方も…状況を把握できずにいた

「ト、トシ…お前…髪が…」

「…え？」

パサリ
近藤を振り返った土方の黒髪が肩に掛かり、髪ゴムは地面に落ちた

切れでもしたのかとそれを拾うために体を傾け手を伸ばしかけたところでその動きは止まる

中途半端な前屈姿勢で固まること数秒

「なんじゃこりゃァアアアアア！？」

『…協力したんだから、約束は違えるなよ』

「あァ、明日買いに行くさ…そこの山崎が」