【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ33)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:72,556 hit

第七十七訓ページ33

『だァアア！！負けたァ！』

ﾄﾞｻ
と道場の真ん中で大の字に寝転ぶ

「……ﾌｯ」

『クソ、憎たらしい笑み浮かべやがって…』

「なァにしてもらおっかなァ」

キィイ！ムカつく！

ニタニタと黒い笑みを浮かべる沖田
あまりにも神経を逆なでてくるもんだからゲシッと脛を蹴ってやった

「痛ってェ！弁慶はやめろ弁慶は！」

休日、暇を持て余していたAと沖田

何か面白い事はないかと屯所を徘徊していたところにばったり出くわし″一日言う事聞いてもらう権″を賭けて道場で試合をすることになったのだ

男女の力の差を物ともせず…というか女でありながら鍛えた男と張り合えるパワーがあり真選組一のスピードを誇るAと、年を追うごとに磨かれる才能は限界知らず、真選組一の剣豪と恐れられる沖田総悟

人間離れした二人の試合は真選組内でもプチ名物と化していた

勝負は頻度が多い訳ではないが気まぐれに行われ、毎回どちらが勝つのか決着が付くその時まで全く分からない

長い時は一時間以上戦い続けているソレを隊士たちはいつもハラハラしながら見守っていた

本日の試合は沖田が勝ち星を上げた

Aがふと油断してしまった一瞬であっさり勝敗が決まってしまった

試合中にﾌﾟﾁｯと

いつも髪をまとめている赤い髪紐が切れてしまい、それに気を取られたAは一本取られてしまった訳だ

何とも納得のいかない不完全燃焼な結果に不満はあるも、負けは負け

ハァ、と大きく溜め息を吐きつつ体を起こしたAは不貞腐れた表情で沖田を見上げた

『それで、何すりゃいいの』

____

__

_

『……ホント、マジありえない』

周囲からの奇異の目を阻むように、笠を目深に傾けたAは本日何度目になるのか分からない溜め息を吐いた

前を歩く男を笠の裏から射殺す目つきで睨むも本人はどこ吹く風

「どうしたんでィポチ、散歩は始まったばかりだぜ？」

『誰がポチだ』

Aの首にはペット用の首輪が付けられ、そこからリード…ならぬ鎖が延びている

ジャラジャラと鳴る鎖は沖田の左袖内へと続いており、一体どんなプレイだと思わずにはいられない図だ

この男、いつからこんな趣味を身に着けたんだ？

副長暗殺計画なるものを常日頃企てては実行していることなら知っているが…

まさか土方暗殺に精を出しすぎて性格捻じ曲がりまくってしまったのか

前からS気質であったがまさかここまで超ド級のSになっているとは…