【銀魂】Sleeping PrincessⅡ (ページ30)

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第七十四訓ページ30

「…時間だ、二番隊行くぞ」

旅籠辰巳屋、南裏口
二番隊の持ち場だ

局長たちと一番隊が正面から奇襲し、その後を四番隊が続く

裏口に来る敵たちを逃がさないように二番隊が南裏口を、五番隊と山南総長が北裏口を固めている

時間になり一番隊が突入したのか、上が騒がしくなった

Aたち二番隊も刀を抜き集中する

『(…妙だな)』

酒宴なんて開いて油断している浪士たちを斬ることぐらい、一番隊には造作もないこと

スグに片付くものだと思っていたが…

上の騒ぎは中々収まる気配がない

『(報告より人数が多かったのか？)』

山崎が間違った情報を持ってくるとも思えない

あるとすれば…

ﾄﾞｶﾞﾝｯ

『！？』

「師匠、上で爆発が！」

上の階で爆発が起こった
今回手榴弾やバズーカを使う予定はなかった筈、想定外の事態が起きているとみて違いないだろう

続いて別の場所でも聞こえてくる爆発音
電気系統をやられたのか停電し、辰巳屋内は暗闇に包まれた

ﾊﾟﾘﾝ

ﾊﾟﾘﾝｯ

近くで窓が割れる音がしたかと思えばその直後、永倉隊長の叫びが耳に届いた

「手榴弾だ逃げろ！！」

ﾄﾞｶﾞﾝ、ﾄﾞｶﾞﾝｯ

出入口付近に居たAは反射的に飛び出て直撃を免れた

スグに煙が充満する中へ戻れば隊員何名かが地に伏している姿が目に入りざっと確認する

怪我は酷いが皆息はある

「ｹﾞﾎｯ、師匠…」

『立花！』

崩れた瓦礫の下から這い出てきた立花を見つけ駆け寄った

頭から出血しているものの命に別状はなさそうだ

同じく永倉隊長の無事も確認し、ほっと胸をなでおろす

ｼﾞｬﾘ…

背後に感じる複数の殺気を片付けるべくAは刀を構えた

『こっちの動きはバレてたみたいだな…まったく、面倒事増やさないで欲しいっての』

＿アンタ達、覚悟はできてんだろうなァ…

やけに冴えている頭、上がる口角
月夜の闇の中ひたすら刀を振るい続けた

____

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被害は被ったものの、花林党の検挙は成功した

やはり山崎の潜入はバレていたようで、真選組は見事嘘の情報に踊らされていた訳だ

一番隊の方は敵数の多さと手榴弾に苦戦を強いられ、浪士共はその間に裏口に待機していた他の隊を潰し、挟み撃ちにするつもりだったらしい

とはいえ南口では主にAが、北口では山南が浪士たちを食い止めていたため奴らの作戦は失敗に終わった

今回の件で一番傷を負ったのは…