【銀魂】Sleeping Princess (ページ38)

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第三十七訓ページ38

『立花は一人で充分だっての…』

「俺がどうかしましたか？師匠」

後ろを歩いていた立花が、呼ばれたのかと前へ出てAを覗き込んだ

毎日毎日金魚の糞のごとくついてくるコイツは、最早いない方が異常と言える

目的地である食堂内へ入ると、またも挨拶の嵐

今までとは180度違う私への扱いには当分慣れそうにない

ただ浪士組の一員になることに反対する者がいなくなった点では面倒もなくなり助かったと言えるか

「姫さんのおな～り～ってか」

朝食を手に空いている席を探すAに嫌味な口を利いてきたのは、お茶碗片手に今日のメニューである鮭をつついている沖田だ

『何、姫さんって…』

「邪険にされてた灰被り女が随分な出世したじゃねぇか」

おめでとさん、と笑っているがその笑みは明らかに馬鹿にしたものである

『私だってびっくりしてるっての…』

「にしても付き人までついてるたァ、流石の俺も恐れ入ったぜ」

『付き人…？』

ん、と指さす方に視線を向けると

「……フゥ…ささ、師匠どうぞ！」

『……何してんの立花？』

かいてもない汗を拭いやりきった顔をしている立花

Aが座ろうとしていた席がやけに輝いている
テーブルもピカピカだ

というか、テーブルクロスやらティーセットやら…準備されているものが全て洋風チックでこの一角だけ異国文化の雰囲気が漂っている

「いやァ、昨日の試合で師匠の強さも素晴らしさも屯所中に広まりましたからね！師匠のため、俺も今まで以上に頑張らせて頂きます！」

『頑張らなくていいし、あんたが今すべきは可及的速やかにこの似非洋風セットを片すことだか…ら…？』

「お前ら！守備はいいか！」

「「「「「うっす！」」」」」

徐にハチマキを取り出し頭に巻いた立花が叫ぶと、どこからともなく妙な法被を来た男たちが十人程集まってきた

「「「「「我ら、柊親衛部隊！身辺護衛の任、しかと務めさせて頂きます！」」」」」

「さ、師匠！安心して食事を召し上がってください！」

『……』

ビシッと整列し敬礼する立花を筆頭とした男たち

＿決まった…

＿綺麗に決まりましたね隊長！

＿昨日練習したかいがありましたね！

こそこそちょっと喜び合っているところがまた癪に障る

とりあえず立花
あんたは素振り3000回の刑だ