親睦 ページ32
とある任務遂行日和。私たちは明るい青空の下よりも暗い路地裏の中の方がしっくりくる。
︎︎慣れたはずのそんな暗闇に急に心細くなった。
そんな気まぐれな理由でたまには私から手を繋いでいいか、と思いジンの手を握った。握った、というより大きな手だから掴んだが適切か。
「銃をすぐ取り出せねェ」
『じゃあ振りほどけばぁ?』
なかなか私から仕掛けない私が珍しく行動したというのにこいつは逆撫でして…。
つっけんどんにそう言えば私へチラリと目を寄越し、悪ガキのように小さくにやりと笑った。切れ長の目尻を少し細め、片端を小さく上げる顔に少しドキリとしつつも、嫌な予感を感じた。
『それはまだ早い!』
「まだ?」
悪戯っ子の笑みで指を絡められてそう叫ぶが、思わず言った言葉を聞き逃さなかったジンに詰め寄られ、ふい、と外を向いた。
『……まだじゃないけど』
︎︎私の"照れで突っ張る"スキルを知っているため、ジンは拒否されても手を離さずに揶揄う表情に変えて高みの見物だ。
︎︎私の性格を掌握しているようでイラッとするが、その通りなので絡められた腕を前後にぶんぶんと振るに留まる。
その行動は拒否として手放すのではなく、表情と声色から滲む"嬉しい"という感情と。なによりジンが軽く握っている手をそのままにしているのだが、ジンにそう思われているとは思わず、Aは逆にそれらの自分の行動は傍から見ると素っ気なくて可愛げがないと思っている。
それさえもジンの満足感に加担しているとは知らず、ただただ素直ではない自分を理解して受け入れてくれるジンの好感度を上げていた。
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私は今回の話や黒執事の書き方が癖なのですが、挑戦してギャグコメディーのみの話を始めてみました。
ねぇ知ってる?勘違いって当事者が認識するまでは真実なんだよ(遠目【名探偵コナン】
愉快な内容にしていくので、良かったら!
また、週に1度はこの作品も紹介した作品も更新していきます。
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作者名:ねむとぅ(ー3ー) | 作成日時:2024年2月9日 16時