検索窓
今日:6 hit、昨日:25 hit、合計:77,558 hit

ページ37

ああでもしなければ彼の作品は正しい評価をされることもなく、埋もれたままになっていたのかもしれない。クライスラーが生きていた時代は、正しくそういう時代だった。







『.......確かに彼は嘘つきで有名ですけど、とても聡明で合理的な方だと私は思います。』



ふむ、と彼は言う。そういえばクライスラーは医者の家系だったかな?と。実はクライスラー自身、一度は医学部の大学で学んでいたこともあったらしい。けれど、彼は最終的に音楽だけで生活していく道を選んだのだ。


「確か、緑川さんも....」


森谷さんに告げられる前に頷いた。代々医師の家系です、と。


『そして、私も医師を目指しています。』


そう告げれば、森谷さんは興味深気に眉を上げて微笑む。


「医者と奏者の両立........これは面白い。ぜひ、やり遂げて欲しい。」



曲はこの二曲でいきましょう、と森谷さんは頷いた。



「−−−それではそのように。」


「よろしくお願いします。君の演奏を楽しみにしていますよ。」


『........森谷様のご期待にそえるよう、全力を尽くします。』


はははと彼は笑った。


「そう固くならないで欲しい。そうだ、演奏が終わりましたら、ぜひ緑川さんに見ていただきたいものがありまして。」


『.......私に?』


「ええ。実はちょっとしたクイズを用意しているのですが、その正解者に私のギャラリーをご案内する予定なんですがね。」


貴女には正誤に拘らず、見ていただきたいと彼は言う。



「無理を言って依頼を受けていただいたお礼ですよ。」



森谷さんの心遣いに文和さんを見遣れば、彼は苦笑しつつも頷いた。

▼→←▼



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
設定タグ:赤井秀一 , 安室透 , 降谷零   
作品ジャンル:ミステリー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ナツメ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年12月13日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。