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「え?コナンがAさんの舞台に?」
コナン君は毛利探偵事務所の所長さんに面倒を見てもらっていることを知った私は、コナン君や少年探偵団のみんなについて階段を昇る。二階にある事務所にお邪魔すれば、毛利小五郎さんという方にソファーにエスコートされた。どうやら彼がここの所長さんらしい。
コナン君が自室からホームズの原本を持ってきてくれる間に、私は毛利さんに先程の提案を説明することにした。
鞄からコンサートのチラシとチケット数枚を彼に手渡す。
「しかし、こいつらが舞台にあがって大丈夫なんですか?折角のコンサート....Aさん達の足を引っ張らなきゃ良いんだが....」
毛利さんが訝しみながら、ソファーに座る少年探偵団を見遣れば慌ててフォローに回った。
『勿論、これから放課後一緒に練習しますし....きっとこの子達なら良い感じにコンサートを盛り上げてくれると思います。万が一のフォローもしますし、この子達に恥をかかせないようにしますので』
そのまま頭を下げれば、毛利さんは慌てたように了承してくれた。コンサートも急な依頼が入らない限りは、娘さんと一緒に観に来てくれるとのことだった。
それから数冊の本を抱えたコナン君と合流すると、事務所を出る。本当はそのまま他の子達の保護者の方達にご挨拶に行こうと思っていたのだけれど、既に三人がメールで親の了解を取ってくれたため、彼らのご両親用のチラシとチケットを彼ら達経由で渡してもらうことになった。
それから彼らの保護者代わりをすることが多いと言う阿笠博士さんにお会いし、同様にチラシとチケットを手渡す。阿笠さんに本番までの練習場として自宅を使って良いとの言葉もいただけたのは嬉しい誤算だった。
明日明後日は夕方から近場でのリサイタルがあるためここに来ることはできないが、その次の日なら空いている。その二日間の間にハンドベルとコナン君用のバイオリンを用意する予定でもあった。
それを子供達に伝えれば二つ返事で了承してくれたので安堵する。
『それじゃ、三日後学校が終わり次第阿笠さんのお家に集合ね!!』
はーい!と本日何度目かの元気な返事を貰うことができた。
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