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『ここの小さい音符を弾く時に、多分爪を立てて引っ掻くようにしてないかな?確か、ホームズって弦を引っ掻くのが好きだったって、この間貸してくれた本に載っていたから−−−その影響なのかなって。』
「ーー言われてみれば.....」
『その弾き方は、速いパッセージでよくするんだけどね−−−』
私も自身のバイオリンを構えて練習記号Cからのフレーズを弾いてみる。最初は爪を立てるように、2回目は少し指を丸めて。
「全然音が違うねー!」
「そうか?どっちも一緒に聞こえたぞ。」
「全然違いましたよ、元太君。1回目は少し音が固く聴こえて、2回目は柔らかくなりました!」
子供達の言葉を聞きながら、コナン君に向き直る。
『私が気になった所はそこの部分だけかな。ゆっくり伸びやかな曲だから、2回目の弾き方をするのがメジャーではあるんだけれど、コナン君の弾き方も面白味があって良いかもね。』
「......お姉さんとしてはどっちの弾き方をして欲しい?」
『や、そこはコナン君に任せるよ。弾き方を直して欲しくて言ったんじゃなくて、自分の癖を知っているのかなって思っただけだから。知ってるか知らないかでは大きな違いでしょ?』
そう告げれば、彼は納得したように笑った。
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