特殊能力があるなんて聞いてない! ページ6
―――居間にて。
僕たちはソファーに座り、僕は銀さんの隣、神楽ちゃんとAちゃんは一緒に座って…向かいあわせになっている。
Aちゃんが自身の指を弄んでいるのを見ながら、僕は神楽ちゃんにむきなおった。
「んで、神楽ちゃんどうするのその子?勝手につれてきちゃって…親御さん心配しているんじゃない?」
「勝手にじゃないアル!ちゃんとAがいたところの壁に“この子は歌舞伎の女王、神楽が預かった!返してほしければ、万事屋銀ちゃんまで来るヨロシ”って置き手紙残したアル!グワッハッハ!」
「グワッハッハ…って、それまんま脅迫状ォォォ!!何やってんの!それじゃあ誘拐と変わらないよ!!…ハァ、銀さんどうします―――ってアンタは何やってんだァァァァァァ!!!」
隣で銀さんがゴソゴソ何をしているかと思えば、僕たちが一番初めに出会った頃のように、大きな本格ケーキをつくっていた。しかもご丁寧にピンクのバンダナまで頭にしている。…なんか腹たつな、アレ!そう心の中で思った。
「んーー…何ってお前…ガキには甘いもんが一番だろ。俺にジャンプと糖分が必要なくらい、ガキも必要なんだよ。」
「ジャンプは銀さんだけです。」
「おま…ジャンプ舐めんなよコノヤロー。友情・努力・勝利の三本柱掲げてんだからな。マジすげーんだからな。アレ。」
「…だから何ですか。」
ハァーと僕がもう一度ため息をはきながらAちゃんを見ると、先程まで比較的無表情だったその顔はキラキラと輝かせて銀さんのケーキづくりを見ていることに気がついた。
「新八の負けネ。…Aとても嬉しそうアル。銀ちゃーーん、私も食べたいヨ!」
銀さんは立ち上がり、神楽ちゃんをちらりと見たあと、フォークでケーキを一口分掬ってAちゃんの隣まで移動した。
「…まー待てまて、まずはAからだ。ホラ、口あけろ。」
Aちゃんは、素直にゆっくりと口を開ける。それを見計らって、銀さんはタイミングよくケーキを口の中に入れてあげていた。
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