二歳児女児は坂田銀時の娘？vol.1【銀魂】 (ページ49)

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「思春期真っ盛りでも見せねェよ！！！頼みますからAちゃんや神楽ちゃんには変なこと教えないでくださいね？」

「おいおい、ぱっつァん。こういうのはなァ、早めに教えたほうが良いんだよ。オマエ知らねェーの？だいたい今じゃ、小学生でも知ってるもんだぜ？」

「いや…もういいです。僕が言いたいのは、銀さんの髪がいつにもましてパーになってるってことなんで。」

「天パー馬鹿にすんなよコノヤロー。」

「いいから、早く顔洗ってきてください。Aちゃんはもう神楽ちゃんと洗いに行きましたよ。」

「…わーってるよ！」

－－－－－…

「Aは銀ちゃんみたいなろくでもない大人になっちゃダメアルよ？」

『？』

Aの髪を一つに結いながら神楽はAに話しかける。いまいち神楽の言っている意味が分かっていない彼女はコトリと首を傾げた。

「できたネ！今日もばっちり可愛いヨ。」

Aが万事屋に来てからは毎日のように神楽がAの髪を結ってあげていた。時にはお団子、時には三つあみ、時には今日のようにポニーテール……等などとにかくバリエーションがある。まるで実妹のような可愛がりようだった。

「夜兔の血は関係ないネ。あの戦闘狂の馬鹿兄貴…こんな感じにもっと妹を－－－－」

『？』

神楽は最後のことばを飲み込んだ。今更こんなことを思ったとしても、神威が兄貴である事実は変えられないことは十分理解しているし、神楽自身神威のことが嫌いになったわけじゃない。ただ、もともと男兄弟しかいなかった神楽にとってAの世話はとても楽しいものだったから、どうしても比較してしまう。先日の吉原での出来事が酷く神楽の心の中で燻っていた。

「……っ」

一瞬顔を歪めた神楽に対し、Aはお腹をおさえながらギュウっと神楽の袖を握った。

「お腹ヘッたアルか？」

コクリと頷くAを見て、表情を一変した神楽はニヤリと笑った。

「実は私もネ！だから早く新八がつくった朝食食べに行くゼベイベェェエェ！！」

『…ひゃー』

Aを一気に抱えあげると、神楽はロケットのごとく洗面所を飛び出した。

「………」

洗面所の外側の戸近くに背中を預けていた銀時は神楽とAが自分には気がつかずに走り去った方向を黙って見つめていた。銀時はぽりぽりと頭をかく。

「……顔、洗うか。」