嵐の前の静けさ ページ48
「銀さーん起きてください。ほらほらAちゃんも!今日は水野さんとの約束の日なんですからね!!神楽ちゃんもいつまで寝てるの!?」
万事屋の一日の始まりはやっぱり僕からだ。次々とグウタラなこの人達を起こしにかかったが、未だに起きてくる気配がない。僕はため息を吐いた。あれから三日が経ったけれど、今のところはAちゃんを狙ってくる奴らの動きはない。
「眼鏡三等兵ー!あたいは昨日は遅番だったんだよーー…ちょっとくらい…」
ようやく起きてきた神楽ちゃんは大きなあくびをしながらソファーに座る。そしてそのままぐたりと倒れこんだ。
「神楽ちゃん、もうそのネタ引っぱんなくていいから。しかも何?その一昔前のスケ番のような台詞。僕、今朝食の用意してるから、神楽ちゃんは顔洗った後に銀さんたち呼んできてくれる?」
「……了解ネ、眼鏡十等兵。」
「あれ?なんで今階級下がったの?」
顔を洗った神楽ちゃんが銀さんたちを起こしに行ったのを確認すると、僕はさっそく朝食の準備を始めた。
「ふァーあ…ったくなんだよ朝っぱらから…」
『ふあー…』
神楽ちゃんとともに、全く同じタイミングであくびをかみ締めている銀さんとAちゃんもようやく起きてきた。神楽ちゃんは普段着に着替えていたが、もちろん二人ともパジャマのままだ。
銀さんは天パが寝癖のせいでくるくるがひどくなっているし、Aちゃんもピョコピョコと柔らかそうな髪が跳ねていた。僕は横目でそれを見ながら、朝食を運んだ。
「おはようございます。朝っぱらって言うか、もう九時ですけど」
Aちゃんの水玉模様のパジャマはこの間姉上に買ってもらったもの。姉上の“子供はすぐ伸びるから、少し大きめのを買ってきたの”という言葉どおり、少しダボダボ感が否めないが、Aちゃんはそれをとても気に入っているようだった。
「忘れたんですか?今日は水野さんとの約束の日ですよ。子犬を買って水野さんに届けなくちゃならないんですからね。」
銀さんは頭をポリポリかきながら、“あーそういやァーそうだったなァー”なんてボヤいている。
「とりあえず、二人とも顔を洗ってきてくださいよ。Aちゃんはともかく銀さんのは爆発してますから。」
「あ?爆発?馬鹿言え。てめェーら思春期のガキとは違ってなァ、俺ァ朝っぱらから爆発したモンを公にださねェってェの。ちゃんと処理してきました!」
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