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「それはきっとスキスキ症候群だな。」
「…スキスキ症候群？」
リボーンの説明によると、日頃の好感度が比較的高かった異性に対して…一人につき一度だけ、一定時間惚れっぽくなってしまうという珍しい病気らしい。一方で、その限定された時間が過ぎてしまうとその時間内に行った行為の全てを忘れてしまうという厄介な一面を持ち合わせているという。
「さっきの病気だったの！？つーか、そんな意味不明な病気に罹っているっていうなら、早くAに学校休むように言わないと！」
「−−−それは止めた方がいいぞ。」
「はぁ？なんでだよ。今のAが学校行ったら大変なことになるんだろ！」
ツナは先程のことを思い出したのか、頬を赤らめながらも怒鳴った。
「この病気は限局された時間内−−−所謂恋愛スイッチが入っている間にその惚れた奴とキスをしねｪと治らねェ病気なんだ。発症から三時間過ぎる前にそれができなければ、Aは高熱を出して死ぬぞ。」
Aが死ぬ。それを聞いた途端にツナの顔色が一気に真っ青になった。
「じゃ…じゃあオレが今からその…Aにキス…すれば――」
「意味ねェぞ。あいつがお前に惚れる…なんて少女漫画みたいなことは、もうこの先一生ねェだろうからな。」
「んな！！……そもそも病気のこと知ってたんなら、なんでさっきのキスを止めたんだよ！」
「だってだって〜Aが罹ってるなんて、知らなかったんだもん。」
「可愛くねぇよ！……そうだ、病気ならシャマルに治してもらえば」
「それも無理だな。」
「なんでだよ！？Aは女なんだからシャマルなら喜んで…」
「アイツは今イタリアに戻ってる。今連絡取ったとしてもギリギリ間に合うかどうか……これはもうツナがどうにかするしかねェぞ。」
「−−−お前絶対楽しんでるだろ！」
妹の生命の危機を認知したツナは、薄らと涙を浮かべながら叫び返した。
終わり
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