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「"残りはヨロシク"……らしいぞ。良かったなツナ。」
「良くねぇぇ！つーか、なんでAは軽々とマフィア倒しちゃってんのぉぉ？」
「当然だよ、ツナ兄。僕の運動神経ランキングではね、全女マフィアの中でもA姉は上位なんだ。」
「ツナと違って運動神経が抜群にいいからな。」
「悪かったな！運動音痴で！」
――――…
僕は急いで並盛中に戻った。向かう先は応接室だ。息を切らしながら応接室の前まで行くと、勢いよくドアを開けた。
「やぁ、二分遅刻だよA。」
『僕の――』
「あぁ、君の雑誌ならそこ。」
テーブルの上に置いてあったのは並盛通販雑誌。あーあ、どうやら恭弥にバレてしまったらしい。
『いつから気づいてたの？』
「ついさっきだよ。」
『ふーーん。』
「………」
『………』
僕と恭弥は互いに無言のまま時間だけが過ぎた。
「………何か言ったらどうなの？」
『……僕、怒られるの好きじゃない。』
「……誰だってそうなんじゃない？」
『………』
「仕方ないから今回は許すけど――――」
『え？じゃあ、これからも恭弥名義で通販してもいい！？』
「……ワォ、君の頭には反省のハの字もないのかい？」
僕は笑って恭弥の隣りにポスリと座り、そのまま彼を見上げた。
『恭弥にはバレンタインにはすっごく美味しい僕特製スイーツを作ってあげる。だからね、通販させて？無駄遣いはしないから。ちゃんと恭弥に還元するから！』
僕の言葉に恭弥は考えるそぶりをする。そして彼の溜息と渋々ながらも条件付けで許可を出すというものだった。用件を終えたらしい恭弥は目の前にある資料の整理に取り掛かる。僕はそれをボーっと見ていると、不意にフゥ太の顔が思い浮かんだ。
『あ。あとさ、明日小学生くらいの男の子が並中に入るの許して欲しいんだ。』
「部外者は立ち入り禁止のはずだよ。それは君も知ってるでしょ？」
恭弥は手を止めずにキッパリと言う。
『その子が司ちゃんの居場所の鍵を握ってる…と言っても？』
そこでようやく恭弥は手を止めて、僕をじっと見つめた。
「それは確か？」
『雨じゃなければね』
「雨？…明日は確か夕方から降るよ。」
『じゃあ、尚更だよ。』
そこで恭弥は大きなため息をはく。
「…今回だけだ」
『ありがと、恭弥。流石僕の幼馴染！大好き！』
「………」
『明日ここにフゥ太を連れていくから物一つない状態にしておいて』
僕は彼にそう伝えると応接室を後にした。
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