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―――――――…
大方遊園地の乗り物を乗りつくしたAは、ロマーリオが買ってきてくれたソフトクリームを大人しく食べていた。一方でディーノはクタリとしている。
「ボス、そろそろお化け屋敷にでも行ったらどうだ？嬢ちゃんのテンションに負けっぱなしはカッコ悪いぜ？」
「そうしたいのは山々だが…」
隣で美味しそうにアイスを頬張るAを見てため息を零すディーノ。
「Aが造りもののお化けを怖がるとは思えねぇな…。」
とりあえず行くだけ行ってみるかということになり、Aが食べ終わるのを見計らってお化け屋敷へと向かった。途中でクシュリとクシャミをしたAに気をきかせたディーノは自分の上着を脱いで、彼女に着せてあげた。
『ありがとディーノ！ねね、次はどこ行くの？』
ワクワクしながら尋ねてくるAに「行けば分かるぜ。」とディーノは返した。
着いた先はボロボロの屋敷をイメージしたありきたりな所だった。やっぱ、こんな子供騙しじゃ、こいつもつまんねぇか…と苦笑しながらも、ディーノはロマーリオに少し離れた後ろから着いてくるように指示をだした。
「んじゃ、A行くぜ。」
『……………』
返事をしないA。それどころか、一向に動く気配のない様子にディーノは首を傾げたが、彼女の手をとって中に入った。中は思いの外うす暗いようだ。しかし、出てくるお化けが機械や人形でできていることは、誰が見ても明らかだったのでそれほど怖いものでもなかった。
「……ん？」
突然Aがピタリと動きをとめる。手を繋いでいるわけなので、必然的にディーノも立ち止まった。
「…A？」
お化け屋敷に入ってから、彼女は一度も口を開かないしどうも様子が変だった。極めつけとして、Aの体がプルプル震えている。今や暗闇に目が慣れてきたディーノにとってはそれが明らかだった。
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