金色デートに憧れて ページ28
今日は第三日曜日。
『〜♪』
今日の僕の服装はシマシマフワフワのセーターワンピ。それに身を包んだ僕は上機嫌に鼻歌を歌いながら髪を梳かしていた。何を隠そう今日は、先日の夕食時の片付けの際の貸し借りを利用して、ディーノとお出かけをする日である。全てディーノのオゴリで遊びまくると決めていたのだから、機嫌が良くないはずはないのだ。
そこでガチャリと僕の部屋のドアが開く。現れたのはツナだった。
「ディーノさんが迎えに来たぞ。」
『今行くー！』
僕はくるりと振り向いてニカリと笑った。
「よっ！A。今日の服も似合ってんな！」
玄関に行くとすでにディーノがいた。
『よ！あのね、これ僕のお気にいりなんだ！』
僕も軽く挨拶をしてブーツを履く。
「そっか！いつも以上に可愛いぜ。…んじゃA、そろそろ行くか！」
『ラジャー！』
ツナと奈々ママが見送る中、僕はディーノにエスコートされてロマーリオが運転する車に乗り込んだ。
「んじゃA、まずどこ行きたい？」
どこでもいいぜ？と聞くディーノに僕は瞳を輝かせた。
『んじゃあね――――』
――――――――…
着いた所は遊園地。休日だからだろう、親子連れやカップルなどがたくさんいた。
「ボス。俺も一緒でいいのか？嬢ちゃんはボスとデートしたかったんじゃ…」
ロマーリオがボソボソとディーノに耳打ちするが、ディーノは苦笑しながらも頭を振った。
「部下同伴っつーのがAの頼みなんだ。悪ぃな、ロマーリオ。今日一日付き合ってくれ。」
「俺は別に構わねぇが…」
『ディーノ！ロマーリオ！僕、アレ乗りたい！』
Aが指差したのは、幼子が乗るような可愛いらしいメリーゴーランドだった。ディーノは一瞬目を丸くしたもののすぐにニカリと笑って頷く。
「いいぜ！可愛い妹分の仰せの通りに。」
ディーノは自身の胸に手を当てるとAに向けて軽く腰を折る。さながらどこかの執事のようだった。ディーノに手を引かれてAはメリーゴーランドに向う。
『お馬さんパカパカ〜！』
ディーノは上下には動かない馬車に乗り、一匹の一角獸に乗ったAはメリーゴーランドが動き出すとキャッキャッとはしゃぎだす。その微笑ましい光景にディーノも口元を緩めたのだが。
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