▼ ページ27
「その声はAー！？なんでお前が雲雀さんのところに！？」
ツナの叫び声に僕は一気に覚醒した。そしてゆっくりと起き上がる。僕が司ちゃんの腕だと思って掴んだものは恭弥の腕だったことが分かった。
「しかも、なんで雲雀さんのベッドで寝て」
「……沢田綱吉。余計なことを喋らないで。黙らないと咬み殺すよ。」
ツナはヒィィと悲鳴をあげた。
「あ、あの！雲雀さん、妹が迷惑かけてすみません！！すぐに連れて出ていきますので！」
「……待ちなよ。Aが僕の腕を掴んでいるから今は君を咬み殺すことはできない。けれど、君が彼女を連れていったら僕の腕は自由。君を咬み殺すことになるけど…本当にいいの？」
恭弥の言葉にツナは冷や汗を流してブンブンと首を左右に振った。
『ツナ、僕が恭弥の相手してるからツナは自分の病室に戻って大丈夫だよ』
「いや…それが…」
「沢田さん、困りますよ！病院に爆発物を持ち込むなんて！」
ツナがしどろもどろしてる間に看護婦さんがきて、彼は彼女に引きずられていってしまった。それから隣から感じた視線に僕は目線を上げてみる。
「さっき、僕の相手をしてくれるって言った？」
『うん、言った。だから一緒に寝よ。夢の中で集合ね。』
僕は恭弥の胸に寄り掛かって目をつむる。頭上からため息が聞こえたけれど、気にしないことにした。そうしたら恭弥が僕を優しく抱きしめた後に、共にベッドに横たわらせてくれる。大丈夫。彼は僕にとって、良きキャラクターだ。それ以上でもそれ以下でもない。背後の確かな温もりを感じながら、僕は静かに口許を綻ばせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 73人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
