姫は過眠症【テニスの王子様】×【家庭教師ヒットマンREBORN】 (ページ23)

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幼馴染の弊害ページ23

『恭弥ー！草壁ー！お菓子頂ー戴――――ってあれ？誰もいないの？』

翌々日には風邪がすっかり治った僕は、登校してすぐに応接室にむかった。もちろん僕が休んでる間にも草壁が用意していたであろうお菓子をたかるためだ。けれど、残念ながら応接室は誰もいなかった。恐らく、見回りにでも行ってるのだろう。仕方がないので応接室の本棚の裏に僕自身が隠した並盛通販の雑誌を手にとってソファーに寝そべって彼を待つことにした。

『何を選ぼっかな～♪』

恭弥の名前を書けば無料で品物が届く。これは利用しなきゃ損だ。もちろん彼には内緒だけれど。
ニシシと笑いながら雑誌のページをめくると、見計らったかのように応接室のドアが開かれ、咄嗟にマズイと感じた僕は雑誌をテーブルの下に隠した。一先ずここをどうにかやり過ごさなければ。

『………は、はろー、久しぶりのAちゃんですよー』

現れたのは、黒髪にややつり目の彼……やはりこの部屋の主だった。慌てて扉の付近まて駆けつけて、恭弥の意識がなるべくテーブルの方にいかないようにする。

『ってか恭弥、遅いよ！一体どこ行ってたん――――』

僕の言葉が途切れた理由。それは恭弥の体が傾き僕に寄り掛かってきたからだ。咄嗟に受け止めようと腕を伸ばすも、恭弥の重さに耐え切れず勢いよく床に押し倒されてしまった。激しい音に僕は思わず目を閉じる。背中がジンジンと痛かった。そして重い。

僕は恭弥に文句を言おうと目を開けると、当たり前だけれど目の前に恭弥の顔があった。近すぎる彼の顔が思いのほか赤くて、普段じゃ考えられないほど息が上がってる気がして怒りよりも疑問がまさった。

『恭…弥？』

その体勢のまま恭弥の額に手を当ててみた。あ、熱い。尋常じゃないほどに。

『うわーお、今度は恭弥が風邪っぴきさん？』

なんとか恭弥の下から抜け出した僕は、すぐに草壁を呼ぶことにした。