12話 ページ12
「銃痕の跡、今は赤いけど、出来るだけ消える様努力は尽くしたわ、
只完全には消えないかもしれない…。ごめんなさい…。
ああ、刀傷の方は深いところ以外はかなり消えるわ、安心して」
『ああ……』
体もほとんど動かせるようになり、約１か月半程病室にお世話になっていた。
病室でのベットの貸し出しは今日で終わり、
今日からは兄貴の部屋を借りることになった。
正直どこでもいい。物置でも、甲板の片端でもいい。
只、兄貴のベッドを使うわけにはいかねェ。
それにしてもこの１か月、いつの間に自分は海賊と親しくなったのだ。
今まで見てきた海賊とは違うこの場所が
少々怖いとも思える。
いくつかはとれたが、まだ少し包帯が巻かれた体の上に灰色のタンクトップ、
白いシャツを着、腹にベルトを巻いて、下着と黒い短パンを穿いた。
バサァとコートを着ると、ますます男みたいね。とクスクス笑われてしまった。
「じゃあこれから親父様のところへ？」
『何も言わないのは、悪いと思うから』
「そう……」
と目を細めるナース達はいつ見てもきれいだ。
自分も普通なら、こんな女になっていたんだろうか……なんて。
病室から出て、うろ覚えの足取りで船長室に向かう。
自分の何倍もある大きな戸を前にして一呼吸すると、ゴンゴンとノックした。
「はいれ」
約１か月ぶりの白ひげの声。ギギッと扉を開けると
白ひげはベッドに寝転がり、酒を口に運んでいた。
数歩前に出るも、その場に立ち止まって黙りこんでしまった。
「俺に、何か用か？」
顔を上げると、あの時のニヤリと笑った顔をしている。
『あの‥‥…ありがとう、白ひげ。傷まで治してもらって、なにより……！兄貴に、シドに会わせてもらった』
「俺はただ自分から死に行く奴ァ嫌いなだけだ。……偶然だ、オメェの兄貴がここに居たのは
で、小娘。これからどうする？次の島までは４日はかかるぞ？」
恥もプライドも捨て、お礼を言った。今は、素直にならなきゃいけないと思ったんだ。
次の島まで４日か……兄貴と離れるのは嫌。だがこのままこの船にお世話になってはこの船も困る。
海賊が嫌い、プライドをとるか……兄を守る、生きる理由をとるか。
そうなった今、どっちをとるかなんて決まってる。
『白ひげ……自分を、この船に乗せてくれ‼』
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
「‥‥‥‥そりゃぁ、無理な話だ＿＿」
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錦戸。(プロフ) - 蜜柑さん» 有難う御座います。白ひげ海賊団いいですよね^^ (2018年4月10日 17時) (
レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 錦戸。さん» 白ひげ海賊団大好きなので続き楽しみにしています (2018年4月9日 3時) (レス) id: 77722fac74 (このIDを非表示/違反報告)
錦戸。(プロフ) - 黒猫の涙さん» 有難う御座います、そう言って戴けて嬉しいです。更新頑張りますｂｂ (2018年4月4日 5時) (レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫の涙 - 面白い！！続き読みたいです！楽しみにしてます。更新頑張って下さいo(*⌒―⌒*)o (2018年4月3日 23時) (レス) id: 857950a1df (このIDを非表示/違反報告)
錦戸。(プロフ) - わお、60位……ちょっともう怖くなってきてます。有難う御座います。 (2018年4月3日 22時) (レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錦戸。 | 作成日時：2018年3月31日 19時
