13話 ページ13
『……なんでもする、雑用でも……戦闘でも自分を好きに使ってくれて構わない。
白ひげ、自分をこの船に…』
頭を深々と下げて、白ひげの返事を待った。
ちゃぽん。と水の音がして、白ひげは言う。
「この船にァ、ナース以外の女は乗せねェ……わかったか、小娘」
『女じゃない……女はとうに捨てた』
頭は上げない。まだ、まだ深く下げたままだ。この船に乗る兄と共に居るために
「体が女じゃ、説得力がねェな！グララララ！」
『っ！……なら、体も全て男に……！』
「オメェ何を必死になってやがる。ここに来た時も、女じゃねェとか言ってたな」
酷く落ち着いた、低い声が自分を突き刺した。
バッと頭を上げ、彼を見た。彼の目が自分の中の全てを見透かしている。
その細い目が自分を支配し、勝手に口が開きかけていた。
ッ！
自分の行動に気づき唇を思い切り噛む。＿＿＿今、何を言おうとした？
ニヤリと弧を描いた白ひげ。
とっさに言葉を頭に並べるが
何も浮かばない。
『…………この船に、恩を返したい。だが今自分は一文無しだ。ここで少しでも役立つ事が出来ればと思っている』
一応言うが、これが本音なのではい。
ここから本音を探し出すことなんて不可能だろう。
生きる意味を失った今、新しい生きる意味を見つけた。
兄のそばで兄をひそかに守ること。
これが本音だ。ただ兄のそばに居れればいい。それだけ。
今思ったが、傷の治療、食費、兄……本当に何から何までいろいろこの船に尽くしてもらっている。
……結局、有言実行か。
「………そうか、だが諦めろ。もう一度言う、女は乗せねェ。残り4日間、じっくり考えなァ」
『4日後の、この船が島に着いた時。答えを出す』
「アァ、そうしろ。」
扉を開け、踏み出した足を一度止めて顔のみを白ひげにむけ、しばらく世話になる。と言うと、また彼はニヤリと笑う。
「おう」
バダンと背後で扉が閉まった。
その瞬間自分の背に向けられた重く鋭い視線が消え、少し体が軽くなった。
『ハァ……覇気を使って見てるんだろうか』
カチャリ
「お前、何処の鉄砲玉だ？そこで何してる」
船長室の扉に体を向けていた自分の後頭部に鉄砲の銃口が当てられた。
それと同時に自分の腰のナイフは鉄砲を持つ男の首に。
指一本動かせば、お互いに死だ。
『……この船にしばらく居るんだがな。イゾウ』
「………その声、Aかい？」
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錦戸。(プロフ) - 蜜柑さん» 有難う御座います。白ひげ海賊団いいですよね^^ (2018年4月10日 17時) (
レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 錦戸。さん» 白ひげ海賊団大好きなので続き楽しみにしています (2018年4月9日 3時) (レス) id: 77722fac74 (このIDを非表示/違反報告)
錦戸。(プロフ) - 黒猫の涙さん» 有難う御座います、そう言って戴けて嬉しいです。更新頑張りますｂｂ (2018年4月4日 5時) (レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫の涙 - 面白い！！続き読みたいです！楽しみにしてます。更新頑張って下さいo(*⌒―⌒*)o (2018年4月3日 23時) (レス) id: 857950a1df (このIDを非表示/違反報告)
錦戸。(プロフ) - わお、60位……ちょっともう怖くなってきてます。有難う御座います。 (2018年4月3日 22時) (レス) id: 203568ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：錦戸。 | 作成日時：2018年3月31日 19時
