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虎探し ページ7

「そ…それで」

「探偵のお二人様の今日のお仕事は」

「虎探し だ」

「……虎探し?」

「嗚呼 最近巷で噂の…」

「そう 近頃 街を荒らしている『人食い虎』だよ 倉庫を荒らしたり畑の作物を食ったり好き放題さ 最近この近くで目撃されたらしいのだけどー」

ガタッ カランカランー

敦はまるで怯えたように椅子から転げ落ちた

「敦君?」

「ぼ ぼぼ 僕はこれで失礼します」

「待て」

国木田は敦の服を掴む

「む 無理だ!奴ー奴に人が敵うわけない!」

「貴様 『人食い虎』を知っているのか?」

「あいつは僕を狙ってる!殺されかけたんだ!この辺に出たんなら早く逃げないとー」

国木田は敦の腕を掴み床に投げつけた

「敦君!!」

「云っただろう 武装探偵社は荒事専門だと
茶漬け代は腕一本かもしくは凡て話すかだな」

「…………っ!」

「国木田さんもうやめてください…!」

「大丈夫だよAちゃん」

太宰はAに微笑みかける

「まあまあ国木田君 君がやると情報収集が尋問になる 社長にいつも云われてるじゃないか それで?」

「……… うちの孤児院はあの虎にぶっ壊されたんです 畑も荒らされ倉も吹き飛ばされてー 死人こそ出なかったけど貧乏孤児院がそれで立ち行かなくなって 口減らしに追い出された」

"お前がーお前の所為だ この穀潰しー"

"何故です 僕は何もー"

"この院に穀潰しは要らぬ"

"否 天下のどこにもお前の居場所はありはせんー"

"この世の邪魔だー皆の邪魔ゆえ疾く消えよ この世から消え失せるがいい"

敦の瞳が悲しみに揺れる

「敦君……」

「……そりゃ災難だったね」

「それで小僧 "殺されかけた"と云うのは?」

「あの人食い虎ー 孤児院で畑の大根食ってりゃいいのに ここまで僕を追いかけてきたんだ!」

敦の説明によると孤児院を出てから鶴見川のあたりをふらふらしてた時 背後から虎が現れたらしい

「あいつ 僕を追って街まで降りてきたんだ!
空腹で頭は朦朧とするしどこをどう逃げたのか」

「それ いつの話?」

「院を出たのが2週間前 川であいつを見たのがー4日前」

「確かに 虎の被害は2週間前からこっちに集中している それに4日前に鶴見川で虎の目撃証言もある」

太宰は何かを考えるようにしている

「敦君 Aちゃん これから暇?」

ゾッと思わず鳥肌が立つ二人

「……猛烈に嫌な予感がするのですが」

「君が『人食い虎』に狙われてるなら好都合だよね」

「あっ 私用事が」

「虎探しを手伝ってくれないかな」

瞳→←探偵



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作者名:aurora | 作成日時:2019年3月10日 22時

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