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真相 ページ35

「関係ない…ですか」

Aの纏う雰囲気が変わる

「よくそんなことを仰言れます 救いようがありませんね」

クスリと笑うA その微笑みは誰もがゾッとする程美しく冷酷であった

乱歩は推理を続ける

「逃げても無駄だよ 犯行時刻は昨日の早朝 場所はここから140米上流の造船所跡地」

「なっ 何故それを……!」

「そこに行けばある筈だ 君と 被害者の足跡が 消しきれなかった血痕も」

「どうして……バレるはずないのに……」

「続きは職場で聞こう お前にとっては……元職場になるかも知れんが」

箕浦は杉本に手錠を掛けた

取調室にて

「撃つ心算は……なかったんです」

「彼女は……政治家の汚職事件を追っていた そこで予想外にもある大物議員の犯罪を示す証拠品を入手したようなのです しかし議員も老獪 警察内のスパイを使って 証拠を消そうとしたのです」

「そのスパイが……君というわけだね」

「昔から……警察官に憧れていました 試験に3度落ちて落ち込んでいる時男に声をかけられたのです 警察官になりたいかと…… 議員の力で警官になり見返りに指示を従っていました」

「それでお前は議員の飼い犬として 山際を殺したのか!?」

「ちっ 違います!私は彼女に警告を……このままでは消されるから証拠を手放せと!しかし彼女は」

杉本の話によれば

"山際さん 相手は本気です!"

"ではこちらも本気になるだけよ 馴染みの検察に渡りをつけたわ 後は証拠を渡すだけ"

"……ッ"

杉本は山際に拳銃を突き付けた

"杉本くん……?"

"証拠品を渡してください もし僕が証拠の奪取に失敗したら次は殺し屋が動く その前に"

"銃を降ろしなさい 貴方に私は撃てない"

"……その通りだ 僕には撃てない だから"

杉本は自分自身に銃を突きつけた

"脅し方を変える"

"!やめなさい!"

ドンッ

杉本が目を開けた時

山際の向けには銃弾が発砲されていた

「このままでは殺人犯 警察も馘首になる 混乱した君が頼れる人物は皮肉なことに一人しかいなかった 電話した君に議員は証拠隠滅の方法を教え 君はその通り彼女の胸にもう二発撃ってマフィアの仕業に偽装 発見を遅らせる為川に遺体を流した」

「山際が入手したという証拠品は何処だ」

箕浦は机を強く叩く

「その議員は山際の仇だ 云え杉本!」

「ねえ 杉本君 彼女の最期の台詞を中ててみせようか」

"ごめんなさい"

「……本当に凡てお見通しなのですね……」

「………証拠は……机の抽斗に……」

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作者名:aurora | 作成日時:2019年3月10日 22時

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