秘密 ページ12
「………っ!!」
Aは自分の太腿を触った
だがいつも身につけているはずのモノが無かった
「…アレを何処へ?」
「私が保管しているよ 理由次第では返せないね」
ー真逆拳銃を持ち歩いているなんてー
「…返してください アレは私の大切なモノです」
「何故君が拳銃なんか持っているのかな?」
「其れは……秘密 としか言いようがありません」
言葉に詰まるA
「……兎に角大切なモノなんです お願いします」
真剣に哀しげな眼差しで太宰に頭を下げるA
そんなAを見て太宰は諦めたように立ち上がった
「やれやれ仕方ないね コレは君に返すよ」
太宰は部屋の奥から拳銃と拳銃嚢を取り出した
「……良かった」
Aは拳銃を抱きしめ呟いた
「却説 私は新しいジサツ方法でも試そうかな」
「え!?じさ……?」
「服は其処に置いてあるからね」
「…ありがとうございます」
そう云うと太宰は部屋から出て行った
そして太宰を追いかけ部屋から出たAは外を出て驚愕の光景を目にするのである
「……幻影?」
「やあAちゃん 早速だけど助けて」
「何故こんな事をしてるんですか」
Aの云うこんな事とは太宰がドラム缶に挟まり顔と足だけが出ている状態で話している事である
「いや何 こうしたジサツ法があると聞き早速試してみたのだ が 苦しいばかりで一向に死ねない」
「でしょうね」
「腹に力を入れてないと徐々に嵌まる そろそろ限界」
「……でも ジサツなのだからそのまま」
「苦しいのは嫌だ 当然だろう」
「我儘…」
「という事で助けてくれないかい?」
「ええ…」
Aはどうにか太宰をドラム缶から出そうと試みたがどうしても出すことが出来ずそして諦めた
「……敦君呼びましょう」
そんな経緯で敦は太宰に呼び出され朝の幻覚と思われる光景を目にし太宰をドラム缶から抜け出させたのである
「……Aちゃんはあの光景を見た時になんて云ったの?」
「私は幻影って云ったかな」
「ああ 二人とも大差無いんだね…」
Aと敦は遠い目をした
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作者名:aurora | 作成日時:2019年3月10日 22時