【文スト】salvation of a saint Ⅱ (ページ18)

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『餌』という名の罠ページ18

中原の言葉に違和感を覚えるA

「『餌』…？」

Aの頭にはある事が浮かぶ

Aの心に恐怖が生まれた

「成る程唆られる案だねけどもっと善い案があるよアンタの手足を削ぎ落としてから何を企んでるか吐かせるってのはどうだい」

与謝野が鉈を向ける

「そりゃ凄え名案だやってみろよ」

「賢治」

「はーい」

賢治は線路の一部を持ち上げる

「矢っ張り伝言人は性に合わねえ仕事はこうじゃねえとなァ」

「気をつけて下さーい！」

賢治が線路を中原にぶつけるが中原はそれを避ける

「おおー」

賢治が感嘆の声を上げる中原は賢治との間を一瞬にして詰め蹴りを食らわせた

背後から与謝野が攻撃だが中原は天井に立っていた

二人に衝撃が走る

「その異能……『重力遣い』の中原中也だね」

「ち……太宰の兵六玉が喋ったか」

「Aさんが云っていた方ですね！」

「Aが…？」

賢治は

逆さに立ってるのに帽子が落ちてこない……やっぱり都会って凄い！

と考えていた

「太宰とAが其程警戒してんなら期待に応えねえとなァ」

そう云い中原は地面に降りる

中原の降りた地面が割れる

「さァ「重力」と戦いてえのは何方だ？」

「答えよポートマフィアの特使」

福沢が中原に声をかける

「貴兄らの提案は了知した確かに探偵社が組合の精鋭を挫けば貴兄らは労せずして敵の力を殺げる三社鼎立の現状なればあわよくば探偵社と組合の共倒れを狙う策も筋が通る」

「だがお宅にも損はないだろ？」

中原が微笑む

「この話が本当にそれだけならばな」

「……」

「探偵社が目先の獲物に喜んで噛み付く野良犬だとでも思うのか？敵に情報を与え操るのは高等戦術だこの様な木理の粗い策で我等を操れると考えるならマフィアなど戦争する価値も無い」

「…… 敵の頭目から直々に挑発を賜るとは光栄だな」

福沢が乱歩に眼鏡をかけるよう合図を送りAが不安そうに見る

「やれやれ」

「何を隠している？」

「何も」

「この件でマフィアはどう動く？」

中原の言葉は

ー動くまでもねえよー

「成る程 ……そう云う事か」

「乱歩さんそんな筈無いですよね？」

Aの問いに乱歩は目を伏せるだけであった

「やあ素敵帽子君組合の御機嫌二人組に情報を渡したのは君かい？」

「あ？……そうだが」

「組合は僕達と同じように罠を疑った筈だしかし彼等は食いついた余りに『餌』が魅力的だったからだ」

乱歩の目が開く

「何で組合を釣った？」