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迷子の子ども ページ16

晩香堂

「…何故私も守勢なのでしょうか」

Aは納得のいかない顔をしていた

「おやA 不服かい?」

与謝野がAに尋ねる

「不服というか… 太宰さんの決めた事だからきっと意味がある筈なんです 判ってはいるんですけど…私だって皆さんのお役に立ちたいのに…」

私 信頼されてないのかな

ポツリとAが呟いた

与謝野はAの言葉に驚く

「それに商港で客船の爆発事故 きっと組合のです そして爆発は」

「ポートマフィア… 梶井基次郎」

Aと与謝野の間に沈黙が生まれる

「まあ仕方ないさ 何せアンタは組合 ポートマフィアのどちらにも狙われてるんだから」

「それは敦君も同じ筈なのに…」

それにこれ以上誰も失いたく無い

Aの表情に影がさす
それはまるで親を探し求め泣いている迷子の子どもの様であった

与謝野はAの頭を撫でる

「大丈夫さ 太宰がアンタを見捨てるわけ無い それに妾達もね」

「…はい」

Aの表情が和らぎ 与謝野もホッとする

「ほら 賢治を手伝ってやりな」

「はい 賢治君手伝います」

「ありがとうございます!」

Aは立ち上がり賢治の元へ行く

すると乱歩が声を上げた

「暇だ〜 外出たいぃ〜」

「今出たらマフィアか組合に頸を捥り取られちまうよ」

「ははは…」

「監視映像に異常は無いか」

「今の処は退屈な映像ばかりだねェ」

「この講堂は通常入口が存在せず 侵入には地下の廃路線を通る他無い 故に敵兵が進行して来た時 路線内の監視映像によって事前にそれと知れる」

「道中は罠も満載だしねェ この地形で侵掠戦なんて余程の大軍隊でもなきゃ二の足を踏むさ」

「戦争なんて退屈だよ!駄菓子の備蓄は半日で尽きたし……」

すると乱歩がある事を思いつく

「与謝野さん此で花札やろう」

「おやおや 何賭ける?」

「乱歩さん 賭ける相手間違えてます」

乱歩の表情が変わる

「敵拠点攻略は何時だって心躍るねえ」

森の声が響く

「早速次の奏楽だ 準備は佳いかい?」

通信機器を使い話す森

「完了しています」

「そちらは探偵社を粉砕するのに十分な戦力規模だ」

ーとびきりの旋律を期待しているよー

「如何したンだい?」

「社長 攻勢を呼び戻した方が良いよ」

「敵か?」

読んでいた本を閉じる福沢

「襲撃規模は何人だ?」

クルッと福沢の方へと映像を向ける乱歩

「一人だ」

映像にはニッと笑う中原の姿が映し出され そこで映像は途切れた

The strategy of conflict→←異能力戦争



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作者名:aurora | 作成日時:2019年9月28日 18時

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