観察眼 ページ37
コンコンコン
三回のノックの後、私は小さく息を吸って、扉を開けた
「失礼致します。八乙女事務所所属、九条Aと申します。本日はよろしくお願い致します」
腰を約15度に折る
「…合格。いいよ」
奥から声がし、顔を上げる
天が、持っていた手帳を閉じた
「毎回やらなくてもいいんじゃないか？それ」
頭に重みを感じる
「確かに、十分いいと思うけどね」
二つ目の声を聞いて、私は上を向いた
「…楽、おもい」
「そんなに力入れてないだろ」
楽はそう笑った
「久し振り、Aちゃん」
「おはよう、龍くん」
龍くんにそう返すと、カオルさんが私達の背中を押した
「とりあえず入りましょう。ここは冷えるわ」
慌てて楽屋に入り、扉を閉めると、カオルさんは寒そうに腕をさすった
「ここの局はいつ来ても寒いわね」
「カオルさん冷え性？」
問いながら、来ていたコートを脱いでカオルさんに羽織らせた
「あら、ありがとう」
「A、これ着て」
それまで黙っていた天が、自分の膝にかけていたカーディガンを私に渡した
「私は大丈夫だけど…」
「…具合悪いでしょ」
質問ではなく、確認するようにそう言う天は、私をじっと見つめた
「え、と、別に…」
「…マネージャー」
溜息をついて、天はカオルさんに視線を移した
カオルさんも同様、溜息をついて頷いた
「副作用が出たのよ。私がちょっと目を離した隙に、一人で出て行くんですもの」
「ちょ、カオルさん…」
時既に遅く、天の後ろにはツノを生やした鬼がいた
「どういうことか、説明してくれるよね」
やけに静かな楽屋に、天の声が響いた
「…はい」
あれ、デジャヴ？
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ゆきな(プロフ) - とっても面白かったです！続きがとても気になります (2019年12月28日 3時) (
レス) id: 0b67114e74 (このIDを非表示/違反報告)
咲夜架(プロフ) - Sora君さん» コメントありがとうございます！ずっとお話を溜めていたので、コメントが励みになります。これからもよろしくお願いいたします！ (2017年3月19日 21時) (レス) id: 3417dbbffc (このIDを非表示/違反報告)
Sora君(プロフ) - お話すごく面白いです!!更新がんばってください!! (2017年3月19日 20時) (レス) id: 4ea93103b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：碧 | 作成日時：2017年3月18日 13時
